マンションの騒音源はどこ?!驚きの音の伝わり方とは

マンションに住んでいて、騒音対策をしっかりとしているはずなのに苦情を言われた経験はありませんか。

または、騒音に悩んだという経験はないでしょうか。

例えば、足音が聞こえてくる場合には、つい上の階の人を疑いたくなりますよね。

しかし、一概にはそうであるとは言えないのです。

それは、マンションが複雑な音の伝わり方をさせる建物だからです。

ここでは、マンションでの音の伝わり方などについてお話ししていきます。

マンションの造りで騒音の伝わり方は変わる?

「マンション」と一口に言っても、その構造には種類があります。

・鉄筋コンクリート造

・鉄骨造

・鉄骨鉄筋コンクリート造

では、それぞれの特徴をご紹介していきます。

【鉄筋コンクリート造】

日本で建てられているマンションの多くは、この造りになっています。

これは、鉄筋でマンションの枠を造り、コンクリートを流し込んで造るため、設計を行う際の自由度が高く防音性にも優れています。

【鉄骨造】

鉄筋コンクリート造の次に多いのが、この鉄骨造のマンションです。

鉄骨造には2種類あり「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」があります。

軽量鉄骨造はマンションを軽量化させ、耐震性・耐久性が高いということが特徴です。

重量鉄骨造は軽量鉄骨造よりも耐震性・耐久性に優れており、かつ防音性も兼ね備えています。

【鉄骨鉄筋コンクリート造】

最後に鉄骨鉄筋コンクリート造です。

これは、先にご紹介した2つを組み合わせたものです。

これらの構造の違いにより、騒音の伝わり方は大きく変わってきます。

マンションの騒音の伝わり方が気になる!①

先述の通り、最も日本で多く造られているマンションの造りが鉄筋コンクリート造です。

その特徴が「防音性に優れている」ということもあり、それに魅力に感じマンションに住むことを決めたという方もいらっしゃることでしょう。

しかし、高い防音性を発揮するこのようなマンションでも、騒音に悩まされるという方は意外にも多いのです。

なぜかというと、マンションには建物特有の音の伝わり方があるのです。

例えば、マンションの一室で、大きな音を立てたとしましょう。

それが足音だとしたら、その音は下の階の部屋に音が伝わるものだと思いますよね。

もちろん、下の階の部屋にも音は伝わります。

しかし、ここで忘れてはならないのが、「マンションにはコンクリートが使われている」ということです。

音が空気を伝わって響くことは、多くの方がご存知のことですよね。

マンションに使われているコンクリートは、その空気の約15倍も音を伝える働きがあるのです。

そのため、音はこの場合、下の階の部屋だけではなく、その周囲の部屋にまで響き渡ってしまうのです。

マンションの騒音の伝わり方が気になる!②

他にも、マンションの騒音の伝わり方はあります。

音は、物を伝って響きます。

このことから、当然部屋のコンクリートの壁を伝っても騒音が響くのです。

これに付け加え、マンションの床が空洞になっていることも、騒音がマンションに響く原因と言えます。

マンションの床が空洞になっているのは、そこで生活をしていくうえで必要になるさまざまな配管を通すためです。

しかし、この床の空洞で騒音が共鳴することで、さらに大きな音へと変化をします。

そして、この大きく変化した騒音が、他の部屋に聞こえてしまっているのです。

ちなみにこの現象のことを、太鼓の中が空洞になっていて、音を大きくすることに例えて「太鼓現象」といいます。

騒音が多いマンションとは

マンションの騒音は、建物自体に使われているコンクリートやその構造が、伝わり方をより大きくしていることがわかりました。

一般にこのような集合住宅の場合、騒音に悩まされやすいのは、アパートであるようなイメージがありますよね。

しかし、実はアパートよりもマンションの方が騒音に関するトラブルは多いのです。

その理由は一体何なのでしょうか。

まず、考えられるのは「マンションの方が世帯数が多い」ということです。

一つの建物内の世帯数では、マンションよりもアパートの方が、世帯数は少ないですよね。

簡単に想像ができるかと思いますが、世帯数が少ないと、少ない分だけ人がいないので、騒音になる原因は少なくなります。

また、マンションの階数にも騒音の多くなる原因があります。

マンションは階数によって以下のように分けられます。

・低層マンション
・高層マンション
・中層マンション

これらのマンションの中で最も騒音トラブルが多いのは「中層マンション」です。

その理由としては、マンションの価格や使い勝手から、ファミリー層が住んでいることが多いためです。

このことに付け加え、近隣の住民との人間関係が希薄になってきていることも騒音トラブルの原因の一つとして考えられます。

自らが騒音源にならないようにするには

マンションが騒音の響きやすい構造をしているのだとしたら、そこに住んでいる自分も騒音源にならないように注意をしなければなりません。

そのためには、どうしたらいいのでしょうか。

マンションに住むことを考えた際、家族の中に小さな子供がいたとしましょう。

小さな子供であると、大きな声で泣いてしまうことや、元気に部屋を走って遊ぶこともあるでしょう。

しかし、このような音が騒音となってしまうことがあります。

そのような場合には、1階の部屋の購入を検討するという方法があります。

1階であれば、2階以上とは音の伝わり方を心配する度合いが変わります。

下の階の部屋がないために、足音などを必要以上に気にすることは少なくなるでしょう。

この他にも、夜間に大きな音が出てしまうような行動(洗濯機や掃除機を使う)は避けるといったことが、自分が騒音の原因とならないための行動といえます。

マンションでの騒音対策

マンションで快適に暮らしていくためには、騒音対策をすることも大切になってきます。

そして、そのために必要なことは大きく分けて2つあります。

まずは、「近隣住民と上手に付き合う」ということです。

一見すると、騒音対策とはかけ離れているようにも思えることですが、これはとても重要なことです。

人は、親しい間柄であると多少のトラブルであっても許すことができるのです。

逆に、希薄な人間関係であると、大きなトラブルへと発展してしまいやすいです。

騒音は決していいことではありませんが、多少の音であれば、許しあえるような間柄にしておくことも騒音対策と言えます。

もう一つは、「床に注意する」ということになります。

先ほどご説明した通り、マンションはその構造ゆえに響くような音の伝わり方をします。

加えて、マンションの床によく使われているフローリングは、固いため音が響きやすいです。

このことから、フローリングの上にクッション材などを使って対策を行うことをおすすめします。

また、楽器演奏を行う方は、壁にも吸音パネルを貼るなど対策を行っておくといいでしょう。

騒音に配慮した生活を心がけよう

マンションは、集合住宅ですので近隣住民の生活音が響くように聞こえてしまうのは、致し方ないことです。

また、構造上アパートよりも音が響きやすいこともあげられます。

しかし、マンションに住む各家庭が近隣住民に配慮することで少しでも快適に暮らすことができます。

騒音対策をしっかりと行い、快適に生活ができるようにしましょう。