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日本の不動産登記には公信力がない?それは一体なぜ?

2019.1.8

家などの不動産を購入したときに行う「登記」ですが、それには公信力がないということはご存知でしょうか。

これを聞くと不安になる方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

一体なぜ、公信力がないのでしょうか。

今回はその理由などについて、ご説明していきます。

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なぜないのか気になる公信力とは

「不動産登記に公信力がない」といわれても、「公信力とは何?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「なぜ、公信力がないのか」の前にその意味についてご説明していきます。

公信力を分かりやすくいうと、「登記されている内容を信用して不動産の取引きをした人は、もし登記の内容が違っていても保護される」ということなのです。

家を始めとする不動産の登記の場合、これに当てはまりません。

「不動産に登記してある内容は間違っている場合があるから、登記されているからといって売り主を信用はしないでください。」ということなのです。

もう少し、分かりやすくするために例を挙げてみましょう。

土地の本当の所有者がAさんですが、登記されているのはBさんになってしまっていたとします。

この登記されていることを信じてしまっているCさんは、Bさんから土地を購入し、所有権移転登記をしました。

この場合、登記されていることを信用して購入したCさんは保護されていないのです。

このとき、本当の土地の所有者であるAさんに土地の返還を求められた場合、Cさんはそれに応じなければならないのです。

これを「公信力がない」というのです。

ちなみに、CさんがBさんに支払った代金は、Bさんへ返還請求を行うことによって、返金してもらうことができます。

不動産登記は公信力がないのになぜするの?

不動産の登記は必ず行うことになっているのですが、公信力がないのにもかかわらず、なぜ行わなければならないのでしょうか。

これは「権利を守るため」なのです。

一体どういうことなのでしょうか。

不動産の取引きでは、「不動産登記制度」というものを採用しています。

これは、不動産の取引をスムーズにするために、不動産の現在の状況と権利の関係を記録し、公にするための制度になります。

新築の建物の場合などのように、建物の構造や種類などが登記されていない不動産は、取得後1か月以内にそれを登記をしなければなりません。

しかし、もし登記をしなかった場合はどうなるのでしょうか。

その場合、刑罰はありませんが、10万円以下の過料に処される可能性があります。

つまりこれは義務ということになります。

その一方で所有権などは、実は登記をするかしないかは任意なのです。

しかしながら、これを登記をしないでいると、自分がそれの所有者であることを主張することができません。

つまり、不動産を売ることも、土地を担保にしてお金を借りるといったこともできなくなってしまいます。

「権利を守るため」というのはこのようなことなのです。

また、固定資産税に関しては登記がされていなくても課税されます。

不動産登記には2つの記載がある

不動産登記ですが、実は2つの種類の記載がされていることをご存知でしょうか。

一つは「表題部」というものです。

これは、物理的に現在の状況を記したものになります。

また、建物の場合と土地の場合で記載してある内容に違いがあります。

【建物】

所在地・地番・家屋番号・建物の種類・建物の構造・床面積

【土地】

所在地・地番・地積・地目

表題部は上記のようなことが記載されます。

そしてもう一つは「権利部」というものです。

これは、読んで字のごとく権利関係を記したものになります。

また、この中も2つに分けられており「甲区」「乙区」となっています。

甲区には所有権に関することが、「乙区」には抵当権を始めとする権利のことが記載してあります。

登記をするにあたって、前項で触れたように義務付けられているのは「表題部」のみになっています。

ではなぜ、不動産登記には公信力がないとされているのでしょうか。

次項からご説明していきます。

なぜ不動産登記には公信力がないの?

日本では、「権利を守る」ためにも不動産登記をしておく必要性があるということをご説明してきました。

では、動産では認められている公信力が、なぜ不動産では認められていないのでしょうか。

不動産の登記は、法務局の「登記官」と呼ばれる人が行っています。

登記官は、申請がされた所有権移転登記が、書面上では不備がない場合に移転登記をするのが仕事です。

つまりは、書類上で済まされているのです。

というのも、日々膨大な数の登記の申請が行われているため、登記官がその1つ1つを細かく申請者のことや取引きの状況などの実態調査を行うことは不可能なのです。

そのため、書類審査のみ行い、登記がされるのです。

このように、公信力がない理由としては、登記官が実態調査を行うことができないため、不動産の取引の実態が把握できていないからだとされます。

不動産登記には対抗力がある!

不動産登記には公信力がないのはなぜなのかについて、ご説明してきました。

ここでは、先述した「登記は自分の権利を守るため」ということについて詳しくご説明していきます。

不動産登記には、公信力はありませんが、「対抗力」というものがあります。

これは一体何なのでしょうか。

対抗力というのは「登記を行うことで抵当権・所有権などといった権利を第三者に主張することができる権利」なのです。

これが、「権利を守るため」ということなのです。

例を挙げて、もう少しわかりやすくご説明していきます。

Aさんが土地を持っているとします。

その土地をBさんが購入しますが、登記を行わずに登記上では所有権をAさんのままにしてしまいました。

それを良いことに、AさんはCさんに同じ土地を売ります。

Cさんは購入後、登記を行いました。

このようなことが起こった場合、先に土地を購入していたのはBさんですが、登記がないため後から購入したCさんに土地の所有者であることを主張することができません。

つまり、第三者であるCさんに権利を主張する「対抗力」を行使することができないのです。

ちなみに、詐欺や脅迫などによって登記の申請を妨げた人や権利の無い人、不法な占拠や不法な行為をしている人に対しては登記がない場合にも対抗を行うことは可能になります。

ドイツでは公信力がある!日本との違いとは

ここまで、日本の不動産登記についてご説明してきました。

では、世界の不動産登記はどのようになっているのでしょうか。

ここでは、ドイツについて取り上げていきます。

ドイツでは、外国人が不動産を取得するための制限がありません。

そのため、日本人でも不動産の所有権を得ることが可能です。

そんなドイツの不動産登記には、公信力が認められています。

それは一体なぜで、日本とはどのような違いがあるのでしょうか。

実は、ドイツを始め、アメリカ・イギリス・オーストラリア・フランスには、日本にはある「建物の登記簿」がありません。

建物の登記簿がない理由は、この5か国とも「建物などは土地の一部」という考え方からです。

また、ドイツで不動産を購入するときには、司法書士と公証人を掛け持ちした立場の人が必ず立ち会います。

このような人が立ち会っている場所で、土地を売り買いする当人たちと意思や契約の内容を確認し、問題がないと認められた段階でようやく仮登記ができます。

そして仮登記後には、金銭の受け渡しやその他の必要な手続きを踏んでから引き渡し・本登記を行うことになります。

先述しましたが、日本ではこのようには確認はせず、書面のみで登記を行っているので公信力がないのです。

このようなことから、ドイツでの不動産取引は「安心して行うことができる」といわれているのです。

権利を主張するためにも登記は行おう

登記を行うには、手間とお金がかかるために行わないという方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、登記を行うことで公信力はなくても対抗力を得ることができます。

また、注意していただきたいのが、登記は「権利を発生させるためのものではない」ということです。

これは「権利を公にするもの」です。

不動産の権利を悪用されないようにするためにも、不動産を取得したら登記を行うようにしましょう。

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