株の「ストップ高」「ストップ安」の連続記録はどのくらい?

  • 2018年11月4日
  • 2019年5月31日
  • 投資,

株式市場の動きに「ストップ高」や「ストップ安」といった動きがあります。

名前は知っているけれど、具体的な動きは分からないという方もいるのではないでしょうか。

ここでは、「ストップ高」や「ストップ安」の連続記録などをご紹介しつつ、どんな点に気を付けなければならないかをみていきましょう。

株の「ストップ高」「ストップ安」とは?

株を始めると、「ストップ高」や「ストップ安」というワードをよく目にすると思います。

株関連のニュースでもよく取り上げられていますので、株を始めた方なら知っておかなければなりません。

「ストップ高」・「ストップ安」とは株価の値幅制限のことを指します。

株価は、その価格によって1日のうちで上下する株価の幅があらかじめ決められています。

株価が、その決められている値幅まで上昇すると「ストップ高」、反対に値幅まで下落すると「ストップ安」となります。

例えば、前日の終値が600円だった場合、値幅制限は100円です。

株価がどんなに上昇しても下落しても、その動きは最大100円までに制限されます。

その600円だった株の株価が上昇し、700円になったとします。

するとストップ高となりますので、その日はそれ以上の上昇はありません。

反対にその株価が下落し、500円になるとストップ安となります。

値幅制限は、株価が高くなればなるほどその幅が大きくなっていきます。

株価が100円未満の銘柄の値幅制限は30円ですが、10万円以上15万円未満の銘柄は3万円の値幅制限となります。

このストップ高やストップ安ですが、何日も続くと注意が必要な銘柄になってきます。

過去のストップ高・ストップ安の連続記録をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。

株価のストップ高連続記録は「フィスコ」の19日

ストップ高になった銘柄は、翌日も株価が上昇することがあります。

反対に大きく値下がりすることもありますので、この予想が株の難しいところです。

もしも、ストップ高の次の日もストップ高、さらに次の日もストップ高...なんてことが続いたら、頬がゆるんで戻らなくなってしまいそうですね。

過去のストップ高連続記録では、そんな事態が起きています。

ストップ高の連続記録は、2009年2月に「フィスコ(3807)」が出した19日となっています。

株価は、2月のたった1ヶ月間の間だけで、12,000円から92,000円まで上昇しました。

19回のストップ高によって、株価が7.67倍となったのです。

フィスコは、1995年に設立された金融情報提供をしている会社で、2006年にヘラクレスで株を公開しました。

株価がここまでの記録を出した要因は、フィスコの大株主だったチョウ・ヒジュン氏にあるようです。

ヒジュン氏はもともとフィスコの大株主でしたが、「フィスコは成長する可能性がある」として同社の株をさらに買い増し、約11パーセントの株を保有しました。

同氏は経営参加を目的にした、株の買い増しを行ったようです。

この動きに便乗した個人投資家がさらに株価を押し上げ、最終的には19日連続のストップ高という記録を出したのです。

株価のストップ安連続記録は「光通信」の20日

株価のストップ高連続記録を出したのは、「フィスコ」の19日でした。

反対にストップ安の連続記録はどうでしょうか。

こちらは、2000年3月から4月にかけて、「光通信(9435)」が出した20日連続ストップ安がその記録となっています。

元々8万円台だった株価は、1万円近くまで値を落としました。

2000年というとITバブルが崩壊した年でもあり、光通信だけでなく暴落した銘柄はいくつかありましたが、日本のITバブル崩壊は、この光通信のストップ安連続記録から始まったとも言われています。

光通信のストップ安連続記録こそは20日となりましたが、その後も株価の下落は続いていきました。

連続記録が終わった後も下落を続けた結果、5月には5,000円台まで株価を落としました。

ストップ安の連続記録を出す前、光通信の株価のピークは22万円付近でした。

約3ヶ月の間で、株価は40分の1にまでなってしまったのです。

この一連の動きの原因は、携帯電話の大量架空契約が発覚したことだと言われています。

ストップ高・ストップ安の連続記録を出したその後

ストップ高・ストップ安の連続記録はともに、インパクトがとても大きい記録ですね。

今後、その記録が破られる可能性はあるのでしょうか。

ストップ高の場面ならまだ良いですが、ストップ安が連続する場面になったら投資家としては気が気じゃないですよね。

さて、ストップ高・ストップ安の連続記録を出した銘柄はその後どうなったのでしょうか。

まず、ストップ高を出したフィスコですが、ストップ高連続記録を出した後は株価が急落しました。

その年の後半に入ると下落トレンド入りし、最終的には元の株価に近いところに落ち着いていきました。

一方のストップ安を出した光通信ですが、2013年に一時話題となりました。

2013年の初めに3500円台だった株価が、12月には8000円台になったのです。

光通信の歴史を知らない海外の投資家や、日本の若い投資家の売買が影響していると言われています。

株を行う際にチェックするデータは、どうしても最近の業績や、これからの業績に影響するものが多いと思います。

しかし、過去の業績や、過去の株価の情報も知っておくことで、より慎重に株投資をすることが出来るのではないでしょうか。

ストップ高・ストップ安はなぜ発生するのか

ストップ高・ストップ安の連続記録をご紹介してきました。

そのような場面に遭遇した場合、株価の動きに乗ってうまく利益を出せれば良いのですが、反対に大きな損失を出してしまう可能性も考えられます。

また、連続記録とはいかなくても、ストップ高やストップ安は株価の大きな動きです。

ストップ高・ストップ安はどういった要因で発生するのか、またそれをどう解釈するのが良いのでしょうか。

まず、ストップ高ですが、企業が何か画期的な開発などで「市場想定以上」に業績が良くなる見込みがある場合に起きます。

つまり、とても注目された場合ということですね。

ストップ高になるということは、株価がとても上昇しているということなので、それだけ株が買われているということを意味します。

基本的には良い反応ととらえることが出来るでしょう。

反対にストップ安が発生する要因ですが、事故や訴訟などの悪い事態が考えられます。

急速に業績悪化していたり、見通しの下方修正なども不安材料の一つです。

ストップ安になるということは、それだけ株を手放したいという人が多いことなので、基本的には悪い反応ととらえましょう。

また、ストップ安は長期化することも多いです。

持っている株がストップ安になったら、素早い判断が重要になるでしょう。

株価の乱高下の場面は「仕手株」に注意

連続記録ほどではなくても、ストップ高やストップ安が続いていたり、株価が乱高下している場合には「仕手株」に注意が必要です。

仕手株とは、資金を持っているある集団が、特定の株に大量の注文を入れて取引が活発に行われているかのように演じている株のことです。

一般の投資家を便乗させて、株価の急騰や急落が起きやすくなっています。

こういった行為を引き起こすプロ集団は「仕手集団」や「仕手筋」と呼ばれています。

彼らは、資金が豊富にあり、投資家心理を読むことに長けています。

仕手集団内で売買を行ったり、情報操作をして、その株が活発に取引されているよう演出し、個人投資家が便乗するのを待っています。

仕手株は株価の乱高下が起きやすく、便乗してしまった個人投資家が損することが多いので注意が必要です。

業績が振るわないような株が、理由なく急騰した場合は仕手株の可能性も考えましょう。

ストップ高・ストップ安でも冷静な投資を!

ストップ高・ストップ安の連続記録をご紹介しました。

ご紹介したような連続記録は稀なものであり、なかなか遭遇することはないでしょう。

ストップ高・ストップ安が起こるには何かしらの要因があるはずです。

ストップ高・ストップ安だからと一喜一憂せず、情報収集をし、冷静な株投資をしていきましょう。