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保証会社に支払う家賃の保証料はいつ損金算入するべきか?

2018.8.9

賃貸物件を借りる際に、昨今は保証会社を利用することが多くなっています。

保証会社は、連帯保証人などに代わって、賃借人の万が一の滞納家賃を保証するものです。

そして、保証会社を利用する際には、保証料がかかりますが、この保証料は、経理上どのような形で損金算入するのでしょうか。

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保証会社に支払う家賃の保証料とはどのようなものか

保証会社の利用は、個人の連帯保証人よりも滞納家賃の立て替えが早く、賃借人に対する取り立てまで任せることができます。

これは、賃貸オーナーにとっては大変便利なシステムと言えますね。

このような事情から、賃貸契約の際に保証会社の利用を契約の条件とする物件が増えています。

その際、賃借人には保証料が課せられます。

それは、会社で事務所や店舗、社宅等の賃貸契約をする場合や、SOHOなどで仕事場として賃貸物件を借りる場合も例外ではありません。

保証料には、契約時に支払うものと更新時に支払うもの、中には毎月支払うものなどがあり、契約によって金額も期間もまちまちです。

ただ、一般的には当初に家賃の20%~100%程度、そして1年後や2年後などの更新時期に、家賃総額の数%や、最初と同じ金額などを支払います。

ところで、会社などで高額な家賃の物件を賃貸する場合、保証料もかなり高額になる場合があります。

例えば、事務所として借りる物件の家賃が30万円だったとして、保証料が家賃の1ヶ月分の場合、30万円もの支払いが必要になります。

家賃の場合は、高額であっても費用扱いになり、前月末に支払う翌月分の家賃は、支払い日か遅くとも翌月には、全額損金算入することができます。

しかし、保証料は支払った額そのままを損金算入してよいのでしょうか。

20万円未満の保証料の損金算入は一括処理できる

例えば契約当初に支払う保証料の場合は、毎月の家賃などと違い、更新までの期間分を一括で支払っていることになります。

つまり、次の更新が契約から2年後だとすると、2年分の保証料を前払いで一括で支払っているわけです。

そしてこれは、敷金などと違い、通常は返還されないお金です。

このような性格である保証料は、20万円未満であれば、支払い時の経費として一括損金処理をすることができます。

これを少額繰延資産と言います。

使用する勘定科目は、支払手数料や、そのまま保証料などとしてもよいでしょう。

仕訳は、(借方)支払手数料 100,000 / (貸方)当座預金 100,000 などとなり、摘要は事務所家賃保証料・初期費用などとします。

ただし、保証料の金額が20万円以上の場合は、税法上、繰延資産に該当します。

繰延資産は、通常は決められた期間の月数で按分し、毎月均等に費用化していくものです。

保証料の他にも、20万円以上の金額であれば、礼金なども同様に繰延資産となります。

20万円以上の家賃の保証料は契約期間で均等に償却する

ところで、この繰延資産には、会計上のものと税法上のものがあります。

会計上の繰延資産とは、主なものに会社の創業費や開業費、また開発費などがあり、5年で償却、つまり費用化していくという会計上のルールがあります。

他にも株式交付費は3年、社債発行費は社債の償還期限内で償却するというルールになっています。

一方、税法上の繰延資産とは、支払い月だけにかかる費用ではなく、支出の効果が1年以上に及ぶもののことを指します。

ということは、必然的に税法上の繰延資産には、先の会計上の繰延資産も含まれているわけです。

そして、税法上の繰延資産の償却期間は、基本的に5年とされています。

ただ、賃貸物件の家賃の保証料などは、この税法上の繰延資産の中でも特殊な扱いになります。

例えば、保証契約が2年ごとに更新され、その都度保証料を支払うなどの場合、最初に支払った保証料は2年間で償却することになります。

つまり、支払った保証料の効果がある期間で、支払い額を均等に償却し、損金算入していくわけです。

ではなぜ、このような方法で処理しなければならないのでしょう。

保証料を一旦、繰延資産に計上し順次損金算入する仕訳とは

税法上では、会社の会計期間は1年間と決まっていて、決算期に1年間の収益と費用をまとめて、それを元に税金を算出することを目的としています。

そして、保証料のように効果が1年以上に及ぶ費用で、その期間が明確なものに関しては、当該年度分だけを抽出し、損金算入する必要があるのです。

それによって、初めて当該年度の税金を正しく計算できるわけです。

では、実際どのような仕訳になるのか、実例を挙げて解説していきましょう。

まず、家賃の保証料は24万円で、契約から2年ごとの更新時に同額を支払う契約であるとします。

2年で24万円なので、1ヶ月当たりの償却額は均等償却で1万円ですね。

また、会社は3月末決算で、賃貸契約は6月1日とします。

勘定科目は、20万円以上なので、税法上の繰延資産になりますが、家賃の保証料などに関しては、長期前払費用などの資産科目を使用するのが一般的です。

そこでまず、支払い時には、(借方)長期前払費用 240,000 / (借方)当座預金 240,000 などとし、全額を一旦、長期前払費用として計上します。

そして、当期決算で経過月数分を償却する際は、(借方)長期前払費用償却 100,000 / (貸方)長期前払費用 100,000 などと仕訳します。

家賃の保証料の仕訳は繰延資産ではなく長期前払費用で

ちなみに、法人の場合は、繰延資産が正しく償却されているか、また残額がいくらか管理できるように、よく前述のような償却のための勘定を作成します。

しかし、SOHOなどの個人事業主や中小企業であれば、損金算入する時は一般的な減価償却費を使用しても問題ありません。

なぜなら、繰延資産の償却も、最終的に決算で損金として減価償却費に集計されるからです。

ただし、会計上の繰延資産と、長期前払費用という勘定科目の間には、正式には多少違いがあります。

それは、主に「支払い金額に対する役務が完了しているかどうか」という点です。

繰延資産勘定は、「支払った時点で役務の提供が完了している場合」に使用し、途中解約しても返金されません。

一方、長期前払費用勘定は、「役務の提供が完了していない場合」に使用し、途中解約すると返金されるものです。

では、家賃の保証料はどちらに該当するのでしょうか。

支払い時には役務の提供は完了していない点では長期前払費用ですが、解約時に返金されるかどうかは契約書の内容によるため、迷うところです。

ただ、繰延資産勘定は、基本的には会計上の繰延資産に使用するものとされています。

また、中小企業の会計に関する指針などでは、保証料などの支払い時にはこの長期前払費用の使用が推奨されているため、これを使用すべきでしょう。

家賃の保証料は損金算入のタイミングで消費税課税取引とする

ところで、家賃の保証料を長期前払費用に計上する際に、注意すべきことが1つあります。

それが、消費税の取り扱いです。

保証料は、継続的に役務を受けるために支払うものであり、一般的な住宅などは非課税取引ですが、事業用不動産に関しては課税取引になります。

つまり、会社の事業用に賃貸する場合で、保証料が返金されない性質のものの場合、課税取引として仕訳するのです。

ただ、課税のタイミングとしては、長期前払費用に計上した時ではなく、費用化して損金算入したときに課税対象となります。

つまり、期中に損金算入した部分についてのみ、仕入れ税額控除が受けられることになります。

細かい点ですが、仕入れ税額控除のあるなしで消費税納付額が変わってきますので、注意が必要です。

これまで見てきた、保証料に関する少し複雑とも言える会計処理も、すべては会計期間に合わせて正しく税額を計算するための処理です。

間違うと、税務署に指摘され、不利益を被ることもあります。

わからないことがあれば、顧問税理士や税務署に尋ねるなどして、適正な処理をするように心がけましょう。

損金算入のポイントは当期の費用であるかどうか

今回は、家賃の保証料の計上の方法について見てきました。

複雑に思えるかもしれませんが、基本的に、当期1年分の費用であるかどうかという観点で金額を分けているだけで、難しいことではありません。

保証金以外にも、火災保険料や損害保険料など、同じような考え方で費用化し、損金算入するものがあります。

仕訳のひとつのパターンとして覚えておいていただきたいと思います。

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