アパートなどの賃貸住宅を契約する際、「契約書」を交わすことが一般的です。
しかし、アパートに長く住んでいると、契約書を紛失してしまう人も中にはいますよね。
賃貸の契約書を紛失すると、のちのちどのような不都合があるのでしょうか。
また、契約書の再発行はできるのでしょうか。
今回は賃貸住宅の契約書についてくわしくお話ししていきましょう。
賃貸の契約書はトラブル時に役立つ重要書類
賃貸住宅を契約する際、契約書を交わし、契約内容に承諾することが一般的です。
この賃貸契約書ですが、ぎっしりと細かい文字が敷き詰められていて、重々しい雰囲気がしますよね。
そのため、細かい内容まで目を通して確認していない方も多いのではないでしょうか。
また、普段使わないが故、どこかにしまって、そのまま紛失してしまうことも考えられます。
そのように、万が一賃貸の契約書を紛失してしまうと、どのような不都合があるのでしょうか。
まず、契約書を紛失したからといって、賃貸住宅を追い出されるということはありません。
契約書は「賃貸借契約」の「証明書」にあたるため、紛失したからといっても契約自体がなくなるということはありません。
しかし、不動産会社と借主の間でトラブルがあった場合はどうでしょうか。
よくあるトラブルとしてあげられる例は以下にまつわることです。
・契約期間…部屋を借りることができる期間はいつまでか
・注意事項…ペットや楽器の可否
・契約更新…手数料や家賃の変動
・退去時の原状回復義務…どこまで借主負担となるか
以上の事柄は、契約書に記載されているものばかりです。
そのため、契約書を紛失してしまうと、何かトラブルが起こった際の証明がしづらくなり、解決の糸口を見出すのが困難になります。
契約書を紛失して起こる問題
先ほど、賃貸の契約書を紛失すると、トラブルが起こった際に解決が難しくなってしまうというお話をしました。
では、具体的にどのようなケースなのか、くわしくお話しましょう。
トラブルとして多いのは、「ペット」や「楽器」の問題です。
ペット不可の賃貸住宅のはずなのに、ペットの鳴き声やにおいがして、住民同士のトラブルになることがあります。
また、ペット可の賃貸住宅であっても、飼育可となっていないペットを飼っている借主もいるかもしれません。
こういった時は、近隣住民が不動産会社に連絡をし、発覚するケースが多いです。
ペット不可の賃貸住宅でペットを飼うことは契約違反となりますから、この場合は最悪、退去になってしまう可能性もあります。
これらは契約書に記載されていることなので、ペットを飼う前に事前に確認することができるはずです。
また、楽器について見ていきます。
契約書には、賃貸住宅での楽器の使用の可否、または使用できる楽器の制限が記載されていたりします。
使用不可の楽器を使用すると、契約違反となります。
近隣住民に指摘される前に、契約書を確認しなおす必要があるでしょう。
以上のように、前もって契約書を確認しておけば防げるトラブルは多いのです。
このような状態を避けるためにも、契約書を紛失しないように気を付ける必要がありますね。
賃貸の契約書の原本が必要な場合もある
賃貸の契約書が必要になるのは、トラブルが起こった場合だけとは限りません。
賃貸住宅で事業を始める際には、契約書の「原本」が必要となるのです。
役所から事業を始めても良いという許可をもらうには、契約書の原本の提示が原則として必要となります。
そのため、契約書を紛失した場合、事業を始めることができません。
また、契約書が保証金の預かり証と一緒になっているケースがありますが、この場合、借主側にしか預かり証はありません。
これを紛失していると、保証金の返還を巡ってトラブルになってしまう可能性もあります。
そのため、紛失しないように、より注意する必要があるでしょう。
一般的には、普通に生活する上ではあまり必要としないのが契約書です。
紛失したとしても、契約内容が頭に入っていればさほど問題はないでしょう。
しかし、上記のように原本が必要となるケースもあるため、万が一のため、紛失しないようにきちんと保管しておくことが大事です。
賃貸の契約書を紛失した!再発行は可能?
賃貸の契約書を紛失すると、何かトラブルがあった場合、証明するものがないために解決が難しくなってしまいます。
そのため、万が一のためにも、契約書は手元に置いておきたいものです。
契約書を紛失した場合、不動産会社に問い合わせれば再発行することはできるのでしょうか。
残念ながら、契約書の再発行はできないことが多いようです。
これは、不動産会社が「リスクを抱えることを嫌う」という理由が大きいです。
例えば、3年前に賃貸契約を行い、3年後に契約書を紛失したとします。
この時、契約書の再発行を行うと、「3年前の日付」の契約書が発行されることとなるでしょう。
3年前の契約書とまったく内容が一緒なら問題ありませんが、少しでも違っていた場合、トラブルが起こった際に「どちらの契約書が有効なのか」を争うことも考えられます。
このようなトラブルは、不動産会社にとってはまったくメリットがないため、再発行ができない大きな理由となります。
賃貸の契約書を紛失したらコピーをもらって対応する
先ほど、賃貸の契約書を紛失しても、再発行は難しいというお話をしました。
この場合、無難な方法としては、「契約書のコピーを入手する」という方法があります。
賃貸の契約書は、不動産会社と借主の双方に、一部ずつ交付されるのが一般的です。
そして、不動産会社は「5年間」契約書を保管することとなります。
そのため、不動産会社に契約書を紛失した旨を伝えれば、コピーしてもらえる可能性は高いでしょう。
自分の不手際で紛失してしまったため、コピーの依頼を躊躇するもいらっしゃるでしょうが、再発行ではなく、あくまでコピーをとるだけなので、不動産会社には何のリスクもありません。
契約書を紛失して困っている方は、まず不動産会社に連絡して相談してみてはいかがでしょうか。
契約書を紛失した!コピーも再発行もできない場合は?
賃貸の契約書を紛失した場合、不動産会社でコピーをもらう方法がありますが、契約から5年以上経過した契約書は破棄されてしまうことが多いため、コピーが入手できない方もいらっしゃるでしょう。
または、不動産会社に断られてしまうことも考えられます。
このような場合は、どのように対処したら良いのでしょうか。
上記の場合、各都道府県庁の「相談窓口」に連絡することをおすすめします。
東京都であれば「東京都都市整備局住宅政策推進部・不動産稼業」、大阪府なら「大阪府住宅まちづくり部建設振興課・宅建業免許グループ」などになります。
そのほかであれば、「国民生活センター」や「消費生活相談」なども活用できるでしょう。
賃貸の契約書は大切に保管しよう
賃貸の契約書は、紛失しても再発行することはできないのが一般的です。
ただ、コピーに対応してくれる不動産会社もあるので、まずは連絡して相談してみましょう。
もしコピーも入手できなかったら、各都道府県庁の相談窓口に連絡してみてください。
賃貸の契約書はトラブルが起こった際の、解決への近道になります。
無くさないように手元で保管し、退去する日まで紛失しないように気を付けましょう。