大家さんや管理会社と賃貸の契約を結ぶ際、名義を誰にするかを決めることになります。
名義人は、何か起こった場合に多くの責任が問われる立場であるため、慎重に決める必要があります。
また、様々な理由で後に名義人変更の手続きが必要となるケースもあるでしょう。
それには、どのようなケースが挙げられるのでしょうか。
その際に必要な書類や、もし名義変更を怠った場合などについてもご説明していきましょう。
名義は賃貸契約書に記載される重要事項
賃貸入居前には、大家さんや管理会社などとの既契の際に賃貸契約書を取り交わします。
賃貸契約書は、家賃や設備など、契約する賃貸に関する重要な事柄が記載されており、そこには誰の名義であるかももちろん記載されています。
それゆえ、契約書を大家さんや管理会社と取り交わす際には、名義を誰にするのか慎重に考えることが大切です。
一人暮らしであれば悩むことはありませんが、同棲中のカップルなどは、将来を見越して決めることが望ましいでしょう。
しかし、一度決めた名義も、何らかの理由で名義変更の手続きを行わなければならないケースもあります。
では、名義変更の手続きが必要なケースとはどのようなものなのでしょうか。
賃貸の名義変更の手続きが必要なケース①苗字や名前の変更
名義変更の手続きが必要なケースとしてまず挙げられるのが、結婚による苗字の変更です。
同棲カップルが賃貸で生活していた後に結婚する場合なども、これに当てはまるでしょう。
場合によっては、夫婦であっても別性を名乗ることもありますが、普通は夫か妻どちらか一方の苗字を夫婦で名乗ることになります。
苗字の変更は、結婚してすぐ行う方がほとんどですので、それに合わせて賃貸の名義変更の手続きも行いましょう。
また、あまり多くはありませんが、名義人自身が名前を変更した場合にも、名義変更の手続きを行う必要があります。
親などがつけた名前が著しく個性的であったりする場合、長きに渡って使い続けてきた名前を変更する方もいるでしょう。
名前は仕事や人付き合いの場面など、私たちの生活と直結した重要な役割を担っています。
名前の読み方などは一般的であっても、難解な漢字や当て字を使った名前により、それらの生活に支障が出てしまう方もいるかもしれません。
名前の変更も多くの手続きが必要となり、それには労力がかかることが予想されますが、晴れて名前が変更された際にはそれだけで安心せずに、賃貸の名義変更の手続きも忘れずに行うようにしてください。
賃貸の名義変更の手続きが必要なケース②名義人の退去や死亡
前項とは間逆のケースとなりますが、もし賃貸で生活していた夫婦が離婚した場合にも、名義変更の手続きが必要となります。
例えば、賃貸の名義が夫であった場合、夫がその賃貸に住み続けるのであれば名義変更の手続きは必要ありません。
しかし、その賃貸を夫が出て、妻のみがそこで生活する場合は、妻の名義としなければなりません。
また、名義人が死亡した場合なども名義変更の手続きを行うことが必要になります。
例えば賃貸の名義が夫であり、その夫が死亡した場合にも、離婚のケース同様に妻が名義変更の手続きを行う必要があるのです。
このようなケースは、賃貸契約書を交わす際にはあまり考えたくないものですが、万が一を考え、トラブルなどに発展することを防ぐためにも知っておいた方が良いでしょう。
人気のルームシェアで名義人退去の際には名義変更の手続きを
昨今の新しい賃貸での暮らし方として、ルームシェアというものもあります。
ルームシェアは、共同生活を数人で行う暮らし方であり、若い方を中心に注目を集めていますよね。
これのメリットとしては、家賃を数人で分けて支払うことにより、家計の負担が軽減されることが挙げられます。
特に、家賃が比較的高い地域では、一人で家賃を払うとなると家計の大半を占めてしまうこともあります。
生活においては、家賃だけでなく、食費や光熱費、交際費など様々な費用がかかるものです。
また、料理や洗濯などの家事を数人で分担して行うなど、協力できるのも利点です。
それに加え、仕事で疲れて帰ってきた際に、誰かが居てくれることで話し相手になってもらえるなど、生活に潤いも生まれることでしょう。
しかし一方で、数人での共同生活ならではのデメリットもあります。
他の同居人と気が合わない、みんなで決めたルールが苦痛に感じるなど、様々な理由でルームシェアを解消し、賃貸を退去する方もいます。
もし、その方が賃貸の名義人の場合、残った同居人の誰かが名義変更の手続きを行わなければなりません。
ルームシェアは、述べた通りメリットの多い暮らし方ですが、解消した場合にどのようなことを行わなければならないのかを把握しておくことも大切です。
また、賃貸の中にはルームシェアができない物件もあります。
ルームシェアは、家族と違い、他人が共同生活をすることです。
それゆえ、トラブルが起こりやすいと考える大家さんや管理会社もあるようです。
もし賃貸でルームシェアを考えている方は、その賃貸がルームシェアが可能な物件かどうか、まず確認しましょう。
賃貸の名義変更の手続きに必要な書類
賃貸の名義変更の手続きを行う場合、変更する名義人が決まり次第、その方に関する書類を揃えなければなりません。
この際、必要な書類は大家さんや管理会社によっても違いがありますので、よく確認してください。
ここでは一般的に必要な書類をご紹介しましょう。
・身分証名書
保険証や運転免許証など、正確な情報が記載されているものが必要になります。
・在職証明書
在職証明書は、在職している会社に連絡して作成をお願いしてください。
2日~1週間ほどで手元に届くことが多いでしょう。
・所得証明書
所得証明書は、住んでいる地域によっても違いがありますが、一般的には市役所などで交付を受けることができます。
また、その交付の際にも、運転免許書などの身分を証明するものが必要になります。
なお、所得証明書は、交付の際に費用がかかかることが多く、一般に1通300円です。
賃貸の名義変更の手続きを怠る代償
賃貸の名義変更の手続きは、前項で述べたような書類を揃えた後、多くの場合が再審査を受けます。
その再審査が通れば、晴れて名義変更が行われることになります。
しかし、書類の準備など、仕事をしながら準備をする方などにとっては、手間と時間がかかるのが名義変更の手続きです。
そのため、よほどのことがない限り名義が誰であるか確認することもないと考え、名義変更が必要なのにも関わらず手続きを行わない方もいるようです。
しかし、もし何らかの理由で名義変更の手続きが行われていないことが発覚した場合、大家さんや管理会社などとトラブルになることもあるのです。
場合により、その賃貸を退去しなければならない事態も考えられます。
名義変更の手続きは、人によっては仕事を休んだり、勤務時間を短縮しないと書類を揃えられないこともあるでしょう。
しかし、名義変更の手続きを怠ることは、社会的な信用問題を問われることもあるということを覚えておくようにしましょう。
慌しくとも賃貸の名義変更の手続きは怠らずに!
賃貸の名義変更は、結婚や離婚、退去など、良くも悪くも生活に大きな変化が生まれる際に必要になるケースがほとんどです。
そのような出来事が起こった場合、慌しく、慣れない作業を行うことも求められるため、つい賃貸の名義変更の手続きまで頭が回らないということもあるでしょう。
しかし述べた通り、賃貸の名義は重要事項です。
もしそれを怠った場合の社会的な信用問題を考えると、棚上げはできません。
賃貸の名義の重要性を改めて理解し、スムーズに名義変更の手続きを行うよう心掛けてください。