部屋を借りるうえで、毎月払うものといえば「家賃」ですよね。
しかし、この家賃を何らかの理由から一ヶ月分滞納してしまったりしたことはありませんか。
こうなってしまうと、強制退去になってしまわないか心配ですよね。
もし、家賃を払わないでいるとどうなってしまうのでしょうか。
家賃を一ヶ月滞納するとどうなるの?
アパートなどの賃貸住宅を借りると、家賃は口座引き落としで、月末までに支払うということが多いのではないでしょうか。
しかし、口座引き落としでも預金残高が足りないときや、家賃を振り込み式で支払っていて、払うのをうっかり忘れてしまっているときには、どうなってしまうのでしょうか。
このような場合には、家賃の支払い日を何日か過ぎると管理会社、又は大家さんから家賃を滞納しているための催促の連絡が、電話やメール、手紙できます。
うっかり忘れてしまっていたという場合には、この時点で早急に支払いを行いましょう。
万が一、この連絡を逃してしまうと、契約時に記載した緊急連絡先に連絡が入ります。
多くの場合では10日ほどは家賃を待ってくれます。
しかしこの連絡を無視して、家賃を一ヶ月滞納すると「契約解除通知書」という書類が届く可能性があります。
これは、決められた期間までに、家賃の支払いを行わない場合、契約解除をするというものになります。
この通知は、「内容証明郵便」で手元に届きます。
内容証明郵便は、その手紙を「誰が誰に出したものか」を証明するものになります。
この内容証明郵便で手紙を出すことで、管理会社・大家さんは催促状を出したという証拠になるのです。
一ヶ月滞納した場合、数日滞納した時よりも、催促は少々強いものになることもありますが、丁寧に謝罪をして払えば契約解除になることはないでしょう。
では、三ヶ月滞納した場合には、どうなるのでしょうか。
家賃を一ヶ月以上滞納するとどうなるの?
数日から一ヶ月分の家賃を滞納してしまった時にどうなるかについてご説明をしてきました。
では、一ヶ月以上滞納するとどうなるのでしょうか。
多くの場合、家賃を三ヶ月分滞納すると、「契約解除及び明渡請求」という書類が手元に届くことになります。
これは、契約の解除と部屋の明け渡しを要求する書類です。
この書類が手元に届くまでには、その物件によって異なりますが、家賃を滞納してから約2~6か月で届くことになります。
この書類も無視してしまうと、弁護士・執行官の立ち会いのもとで「強制退去」になってしまいます。
とはいえ、三ヶ月以上にわたって家賃が払えない場合、手元にはすぐに支払えるようなお金がないことがほとんどでしょう。
では、家賃がすぐに払えない場合や、すぐにお金を手元に用意する時にはどうしたらいいのでしょうか。
次項から順番にご説明していきます。
一ヶ月以上家賃を滞納する前にできること
病気やけがなど、何らかの理由から一ヶ月以上家賃が払えなくなってしまうということもあるでしょう。
では、そのような場合にはどのように対処したらいいのでしょうか。
まずは、お金を払えそうな状態になるまでの期間などを、大家さんや管理会社に連絡しておきましょう。
というのも、大家さんや管理会社との信頼関係が崩れてしまっている場合には、大家さんや管理会社側から契約解除を行うことができるということが、民法で規定されているのです。
逆を返せば、大家さんや管理会社との信頼関係が築けている場合には、大家さんや管理会社側から急に契約解除をすることは不可能なのです。
信頼関係を保つためにも、こういった連絡はしておく必要があります。
連絡がなされない場合には、家賃の滞納額が増加していくばかりではなく、裁判にまで発展してしまうことも考えられます。
しかし、家賃を払う見通しが立たない場合というのもあるでしょう。
この場合には、退去する旨を伝えましょう。
保証会社を利用していて家賃を滞納した場合には?
保証人として、親・兄弟ではなく、保証会社を利用している方もいらっしゃることでしょう。
保証会社を利用している場合に、家賃を一ヶ月以上滞納した場合には、どうなるのでしょうか。
実は、保証会社の家賃の催促は、大家さんや管理会社からの催促よりも激しいものになるのです。
どのようになるのかというと、以下のような流れで催促をされます。
①家賃を滞納したら、契約者と連絡が取れるまで、何度も電話をする。
②連帯保証人が居る場合には、そちらにも連絡がいく。
③連絡が取れない場合、直接訪問を行い、催促を行う。
④訪問督促でも家賃が払えない場合には、「法的措置をとる」など記載した支払い日を明記した書類をポストに入れていく。
⑤この書類でも家賃が支払われない場合、4日~1週間の期限を設け、「退去を促すための」内容証明郵便が郵送される。
⑥これらすべてを無視し続けると、裁判にまで発展し強制退去となる。
このような手続きがされていきます。
保証会社が家賃を代わり支払うということは、その会社の業績に大きく影響してきます。
そのため、保証会社からの催促は大家さんや管理会社と比べ、激しいものになっているのです。
家賃を一ヶ月滞納したら即退去というわけではない!
ここまでご説明してきたことからも分かるように、家賃を一ヶ月滞納してしまっただけで、すぐに強制退去となるということはありません。
しかし、何度も滞納を繰り返していることがある場合には、大家さんや管理会社には良くは思われないでしょう。
中には、一ヶ月滞納することで、問題意識を持つ大家さんや管理会社もいるでしょう。
直ちに契約解除・強制退去とはならないものの、督促が激しくなり始めるということは理解しておきましょう。
また、事前に「家賃が払えなそう」とわかっている場合には、あらかじめそのことを大家さんや管理会社に連絡しておくといいでしょう。
一ヶ月滞納するということは、契約者本人にとっても決して穏やかなものではないですよね。
では、家賃の払い忘れがなくなるようにするためには、どうしたらいいのでしょうか。
次項からご説明していきます。
家賃の払い忘れを防止するために
家賃を一ヶ月分滞納するのは本来あり得ないことです。
しかし、毎月仕事や日常生活を行っていると、うっかり家賃の支払いを忘れてしまうこともあるでしょう。
そのようにならないようにするには、どのような方法が取れるのでしょうか。
最後に、家賃の支払いを忘れないための方法についてご紹介していきます。
家賃の支払いを忘れる方の多くは、口座引き落としにしていない方でしょう。
家賃の振り込みは意外にも忘れがちです。
振り込みを忘れないようにするには「家賃を振り込む日」を事前に決めておくことがおすすめです。
カレンダーや手帳などに書いておくといいでしょう。
また、クレジットカードでの支払いが可能な物件もあります。
そのような物件の場合にはクレジットカード払いにすると、支払いを忘れる心配が減るでしょう。
家賃は忘れずに支払いを
家賃の滞納は、一ヶ月であっても良くありません。
しかし、病気などやむを得ない事情から滞納してしまうこともあるでしょう。
このような時には、大家さんや管理会社との信頼関係を崩さないようにするためにも、「家賃が払えない」とわかった段階で、事前に連絡をしておくことをおすすめします。