賃貸住宅をお探しの方は多くいらっしゃるでしょう。
その時に、選ぶ基準の1つになるのがその建築方法ですよね。
建築方法には「木造」「軽量鉄骨」「重量鉄骨」などがあります。
今回はその中でも人気の高い「軽量鉄骨」の賃貸住宅についてお話ししていきます。
メリット・デメリットも合わせてご紹介していきましょう。
賃貸住宅に多い軽量鉄骨とは?
軽量鉄骨の賃貸物件を検討している場合、メリット・デメリットを踏まえて契約したいものです。
それにはまず、軽量鉄骨の構造から理解しましょう。
まず、軽量鉄骨とはどのような建築物なのでしょうか。
建築物を大きく分けると「木造」「軽量鉄骨」「重量鉄骨」「鉄筋コンクリート造」などがあります。
この中において、軽量鉄骨は「防音性」や「建築コスト」などで見ると、木造と重量鉄骨の中間に位置していると言えるでしょう。
軽量鉄骨で使用する鋼材は、厚さが「6ミリ」未満と決められています。
これは一戸建ても、集合住宅の場合も、同様の鋼材が使用されており、6ミリ以上の鋼材を使用するのは重量鉄骨の建築物となります。
軽量鉄骨物件は「プレハブ工法」という方法で建築していきます。
プレハブ工法とは工場で主要部分を生産しておいて、それを現場へ運び、現場では組み立てのみで設置していくというものになります。
大手のハウスメーカーの軽量鉄骨住宅のほとんどは、この工法で建てられているのです。
プレハブ工法は建築コストが安くなり、また工期も短縮できることへ繋がります。
そのため、近年、軽量鉄骨の賃貸住宅は多く建設されているのでしょう。
軽量鉄骨の賃貸住宅のメリットとは
上記で軽量鉄骨の賃貸物件は、建築コストが安くなり、また工期も短縮できるものだとご説明しました。
ここでは、軽量鉄骨の賃貸住宅で生活するにあたってのメリットをご紹介していきましょう。
●耐震性がある
建築基準法により耐震性が決められているため、どの構造であっても最低限の安全は保障されます。
しかし、建造物の構造によりその耐震性に差があるのは確かでしょう。
軽量鉄骨は重量鉄骨には及びませんが、木造住宅に比べると十分な耐震性があります。
鉄骨は折れにくい特性があるため、地震が起こっても粘り強く耐えることができるでしょう。
これにより、建物自体が倒壊してしまうことはまず考えられません。
●虫が出にくい
木造住宅と違い、虫が寄り付きません。
これは建築方法によるもので、どうしても虫は温かみのある木造に出やすい傾向かあります。
とはいえ、あくまで傾向となりますので、軽量鉄骨物件であっても生活の中で十分な対策が必要となるでしょう。
それでは、次項では軽量鉄骨のデメリットを見ていきましょう。
軽量鉄骨の賃貸住宅のデメリットとは
上記では軽量鉄骨の賃貸住宅のメリットをご紹介しました。
ここでは逆にデメリットをご紹介していきましょう。
●通気性・断熱性が悪い
軽量鉄骨住宅の通気性は木造住宅よりも悪いとされています。
また、断熱性も低いため、夏は暑く、冬は寒く感じるでしょう。
新築であれば事前に床暖房などで対応できますが、賃貸の場合は手持ちの暖房で対策することになります。
●防音対策が必要
防音性は賃貸住宅において重要視される問題です。
防音性を考えた場合、最も遮音性が低いのは木造となっており、高いのは重量鉄骨やコンクリート造となります。
軽量鉄骨はその中間に位置しています。
とは言っても、木造住宅よりほんの少し良い程度だという考えが一般的です。
一戸建ての場合はさほど気になりませんが、賃貸住宅で隣の部屋と壁1枚で隣接している場合は、お互いの家の生活音が響きます。
中には防音グッズを購入して、部屋に何かしらの対策する方もいるでしょう。
デメリットを解消!ハウスメーカーの防音に対する取り組み
騒音となる音は物を通して伝わっていきますが、「個体音」と「空気音」に分けられます。
●個体音
建築物の構造内部を通る音で、空気に触れると響き渡ります。
どこから聞こえてくのかはっきりと分からない音となります。
●空気音
空気を伝って聞こえてくる音です。
隣の部屋からの話し声や音楽がこれに該当します。
防音グッズを使用すれば比較的防ぎやすい音です。
以上の2つの種類の音ですが、軽量鉄骨物件ではデメリットとしてきちんととらえ、取り組みをしています。
各ハウスメーカーでも賃貸物件でのトラブルや、退去理由に最も多い「音」に関して、積極的に企業努力を重ねています。
例えば、外から聞こえる車の音や、隣家の話し声などは壁の厚さを増やしたり、窓ガラスを複層ガラスにするなどして対応しています。
また、2階の足音が1階の部屋に響く場合は、床を厚くすることで対応しています。
鋼材などの構造自体を変えることは難しいため、その他の部分で対応を行い、取り組みを行っているのです。
賃貸物件を探している場合は、「遮音性に対する取り組み」を重視して、部屋を見定めましょう。
軽量鉄骨の新築の賃貸物件!デメリットの防音はどうなの?
ここでは軽量鉄骨のデメリットを踏まえた上で、実際に軽量鉄骨の新築の賃貸物件で生活した方のお話をご紹介しましょう。
軽量鉄骨は重量鉄骨よりも音が伝わりやすいですが、新築物件ではきちんと対策されているものが多く建設されています。
新築ですと先ほどもご紹介したように、ハウスメーカーごとに対策をしているため、すぐれた緩衝材・吸音材を使って防音対策されいることが多いのです。
実際に軽量鉄骨の賃貸住宅に引っ越した方で、あまり周りの音は気にならないことが多いと言います。
音を最重要視するのであれば、重量鉄骨住宅やコンクリート造を選ぶのも良いですが、費用の面から見てもあまり理想的ではありません。
そのため、軽量鉄骨の新築物件のように、防音に力を入れている部分を考慮して選んでも良いのではないでしょうか。
静かな環境で生活したい!賃貸を選ぶポイント
軽量鉄骨の賃貸住宅のデメリットに防音性があげられますが、最近ではハウスメーカーごとに対策をとっています。
そのため静かな環境で生活したい場合、アパート以外の「周りの環境」で重要視するポイントを見極めることが大事なのです。
賃貸住宅を探している時は、以下のポイントを目安にしましょう。
●周辺に駅や学校、大きな道路など人が集まる場所がないか
人が集まる場所は絶えず騒音がするものです。
特に駅は早朝から深夜までたくさんの人が集まるため、注意が必要です。
●賃貸住宅に小さな子供やペットを飼っている人がいるか
同じ賃貸住宅に住む人を把握することも大事です。
部屋探しの際に、大家さんに聞いておくのが良いでしょう。
●賃貸の部屋は角部屋か
隣り合う部屋が少ない方が、静かに生活できるでしょう。
角部屋は家賃が他に比べて割高ですが、小さな音も気になる人にはぜひおすすめします。
●ゴミ捨て場、駐輪場、郵便受けなどの共有スペースがきれいか
共有スペースが汚れていると、そのだらしなさは居住者の生活水準に直結することが多いのです。
トラブルを避けるためにも、その賃貸物件は避けましょう。
●自身が家で過ごす時間帯が静かであるか
自分が家でくつろぐ時間に騒音がしないとも言い切れません。
内覧の予約を、可能な限り家にいるであろう時間に合わせ、騒音具合をチェックするのも良いでしょう。
以上のポイントは、静かに生活する上でどれもかかせないものです。
これらを頭において、部屋探しを行いましょう。
軽量鉄骨は賃貸物件でおすすめ
賃貸物件をお探しの方は、さまざまな条件を持って部屋探しを行っていますよね。
木造と軽量鉄骨を比べると、耐震性や防音性は軽量鉄骨の方が上回っています。
軽量鉄骨は防音対策もなされていて、重量鉄骨より家賃は安いため、賃貸ではちょうど良いおすすめの建築物と言えるでしょう。
後は引っ越し先の環境を事前に見定めて、静かな環境で生活できるようにしましょう。