マイホームを建てると決まった時は、夢が叶って幸せいっぱいですね。
しかしいざとなると、外壁に使うサイディングひとつにも悩んでしまうもの。
サイディングの張り方も、希望は縦張りにしたいけど、欠点があるのかどうかも気になりますね。
この先、何十年も過ごす我が家を出来るだけ理想通りに仕上げるためにも、サイディングの利点・欠点について知っておきましょう。
サイディングの種類①
サイディングとは外壁素材の一種です。
セメント質と繊維質を主な原料とした外装材です。
建物の骨格に合わせて壁に貼り、シーリング材(建物の防水性や気密性を保つために、継ぎ目や隙間に用いる材料)でつないでいきます。
少し前は、モルタル壁が主流でした。
しかし、モルタル壁は施工時間も、費用も多くかかるうえに、ヒビが入りやすい欠点もありました。
現在主流となっているサイディングは、性能的にもデザイン的にも優れているので人気があります。
サイディングが広く普及したことにより、様々な柄が開発されています。
サイディングの柄の種類別に、その魅力をお伝えします。
☆ストーン柄
柄のサイズと形によって、大柄・中柄・小柄・モザイク柄に分けられます。
大柄は洋風、中柄・小柄・モザイク柄は現代風や和風なイメージの家におすすめです。
☆木目柄
自然な木目の表情が再現されています。
日本人が好きな、温かさと質感が魅力です。
縦張りはスタイリッシュに、横張りは上品な印象になります。
☆タイル・レンガ柄
タイル柄は洋風や、シンプルな切妻や寄棟造の屋根に合います。
サイディングの種類②
前項に引き続き、デザイン性にも優れているサイディングの柄の種類をご紹介します。
☆ボーダー柄
和風や現代風なイメージに使いやすいです。
ライン状に凹凸を付けてあり、溝の深さや幅、ピッチによってイメージが変わります。
木目柄と同じく、縦張りはスタイリッシュに、横張りは上品な印象となります。
☆プレーン柄
ベースの柄として欠点なく、使いやすい柄です。
塗り壁や櫛引調などのように、無地に見えます。
白やアイボリーなどの、明るい色が多く使用されています。
張り分けは、どの柄とも相性抜群です。
また、サイディングはデザインが豊富なだけでなく、色揃えも充実しています。
よく使われる色をご紹介します。
・白系 近年、白い外壁の家が多くなりました。
・グレー系 コンクリートの色のグレーは、モダンな家によく使われています。
・黒系 黒系は淡彩色と組み合わせることにより、シックなデザインに仕上げられます。
・茶系 濃い茶色は重厚感や高級感を、明るい茶色は優しさや温かみを感じさせてくれます。
・ベージュ系 土壁を思わせる落ち着いた色合いです。
窯業系サイディングの利点・欠点
外壁には様々な種類があります。
外壁選びは、後々の家の寿命を大きく左右します。
ですから、最低限の知識を持って慎重に選んで欲しいのです。
日本でよく使われている主な外壁は、窯業系サイディング、金属サイディング、モルタル外壁、ALC外壁です。
その中でも、今、日本の住宅の外壁材の約80%を占めている「窯業系サイディング」についてお話しします。
窯業系サイディングとは、板状の外壁材で、成分の80%がセメントで20%が繊維質、増量材で構成されているものです。
窯業系サイディングの主な利点・欠点は以下の通りです。
☆利点
・様々なニーズに応えるべく、バリエーションが多い
・他の外壁材と比較すると、安価で施工費も安い
・工期が短い
・防火性に優れている
☆欠点
・防水機能が無い
・蓄熱性が高い
・目地シーリングのメンテナンスが必要となる
ボードとボードを繋ぐ、「シーリング」というゴムのようなものがあります。
横張りサイディングの繋ぎ部分の目地シーリングが最も目立ちますが、縦張りでもサッシ廻りなどにも使用されています。
目地シーリングは経年劣化します。
目地シーリングの周囲が黒ずんだり汚れが付着するだけでなく、目地シーリングにヒビが入ったり、剥がれてしまうことがあります。
サイディングの縦張りの欠点
外壁材は、住宅の外観を決める大きなポイントとなります。
人それぞれに、理想とする外観のイメージは違うものです。
みなさんは、どんなイメージを持っているのでしょうか。
様々なニーズに応えるためのバリエーションが、サイディングの最大の魅力とも言えるでしょう。
サイディングは、横張りと縦張りの両方可能です。
サイディングを縦張りすると、建物をスタイリッシュにみせてくれるだけでなく、経年劣化をしてしまうシーリング箇所を減らせたり、雨水が溜まりにくいためサイディング自体にも良いという利点があります。
しかし、サイディングの縦張りにも欠点があります。
実は、サイディングの縦張りは、施工レベルが横張りよりも高いものが求められるのです。
サイディングの施工に関して精通していない職人が施工した場合、数年後にはサイディングがずり下がってしまう、最悪は地面に落下してしまう可能性があることが考えられます。
考えただけでもゾッとしますね。
職人は家主が安全に暮らせるようにしっかりと施工してくれているはずなので、サイディングが落下してしまうということは、実際には無いに等しいと思います。
しかしながら、万が一を想定して、施工業者まかせにせず、家主自らが施工の様子を確認していくことも大切です。
サイディングの縦張りの欠点をカバー!チェックすべきポイント①
前項で、サイディングの縦張りの欠点がお分かり頂けたと思います。
これからご紹介する以下のポイントを、施工時にみなさん自らがチェックしておくことで、リスクをゼロに近いものにすることができるはずです。
忙しい毎日の中、施工現場に通うのは大変かもしれません。
また、作業の様子を家主に見られていることで、職人はプレッシャーを感じるかもしれませんね。
例え施工の見学を歓迎されていないとしても、後で後悔しないためにもチェックしておくべきなのです。
まずは「中間水切り」が使用されているか、確認してみましょう。
中間水切りは、サイディングとサイディングの間に使う板金のことを言います。
これは、サイディングの裏側に水が入り込まないようにする目的で使われます。
サイディングメーカーによって違いますが、中間水切りではなくシーリングを使うことも可能です。
ただし、シーリングのメンテナンスをおろそかにすると、間違いなくサイディングの裏側に水が入り込んでしまうので、十分に気をつけなければいけません。
縦張りの場合は、金具施工と胴縁を打って金具で、胴縁を打って釘打ちするやり方があります。
シーリングを使うよりも、錆びに強いガルバリュウム合金の中間水切りを使った方が安心でしょう。
水はどんな隙間でも入り込んでくるため、いくら板金を使っても、板金同士の重なりが甘いと無意味になってしまいます。
水の浸入を防ぐには、50mmくらいの水切り同士を重ね合わせ、その部分にシーリングを塗る必要があるそうです。
サイディングの縦張りの欠点をカバー!チェックすべきポイント②
サイディングを縦張りにすることの欠点は、しっかりと施工されていないと最悪の場合、落下してしまうことです。
そこで、施工時には以下の事もよくチェックしておきましょう。
縦張りのサイディングは、2つの金具によって支えられています。
まず1つ目は「平金具」です。
サイディング1枚に対して、平金具を6~7個くらい使うことで、倒れるのを防いでくれます。
2つ目は「スターター」です。
スターターはL型をした金具のことです。
建築関係者でないと、あまり聞き慣れない留付け金具ですよね。
このスターターが、サイディングが縦に落下するのを防いでくれます。
また、スターターを使うことで施工が楽になり、さらに仕上がりも良くなります。
金具張りサイディングには、スターターは必要不可欠なものです。
ですから、これを入れない施工業者など無いはずです。
しかし、油断できない点があります。
それは、スターターのすぐ真上には平金具の取り付けが必要であるという事を、見落としている職人がまれにいるという事です。
スターターなどの金具は、極力見えない方が好ましいですよね。
そういった理由から、金具は必要最低限の大きさに作られています。
そして、サイディングはほんの僅かですがしなります。
この時に、スターターのすぐ上に平金具が使われていないと、容易に外れてしまい危険なのです。
施工業者の職人に、具体的な金具名を出して質問をし、「私はしっかり見ていますよ」といったアピールをしておくと良いかもしれませんね。
施工の段階から目を光らせておく
サイディングは、住宅の外壁材として主流で人気もあります。
ご紹介したように、サイディングの利点は沢山ありますね。
しかし、張り方によっては欠点もあります。
あなたの大切なマイホームを守る為にも、その欠点がどうやってカバーされているのか、施工の段階から目を光らせておきましょう。