社会人になると、学生時代では考えられないくらい、住所を書く機会が増えます。
例を挙げると、履歴書、勤め先への提出書類、不動産関係などです。
重要度の低い書類には番地や建物名などを省略しても構いませんが、ここに挙げた書類のなかには、住所を書く際に省略されたものではなく正式な書き方を求められるものも多く含まれます。
そんな場面に遭遇したときに迷わずに自分の住所が書けるよう、正しい住所について学んでおきましょう。
正しい住所とは?省略せず正式な書き方を覚えよう
自分の住所を間違いなく書くことができますか?
普段、何気なく書く住所は町名などのあとの番地や部屋番号を省略していませんか。
荷物や郵便物はそれでも届くので問題なく生活できますが、様々な場面で「正しい住所」の表記を求められたときに戸惑わずに書くことができるでしょうか。
省略して書きがちな番地や建物名、部屋番号には実は正式な書き方が存在することがあります。
例えば日常的に
○○町1-1○○ハイツ101
このように書いていた場合、正式な書き方は番地や「号」の文字を書き足して
○○町1丁目1番地○○ハイツ101号
となります。
ただし、この住所表記が正しいものだった場合に限ります。
もし、普段から建物名を省略していたり、逆に正しい住所には部屋番号の「号」の文字がなかった場合には番地などを書き足したとしても正しい住所とはいえません。
住む地域で違う?番地や部屋番号の正式な書き方
住所の書き記し方には地域によっても違いがあります。
地方によって表記の違いが生まれた背景には、1960年以降に住所表示の改正が実施されたことが関係しています。
改正後は現在のような書き方に統一されていったのですが、一部の地域では住所表示の編成がされずに今に至ります。
長く都会に暮らしていて地方へ引っ越すなどして住所が変わった時、そのなじみのない表示方法に戸惑う方も少なくないようです。
例を挙げてみますと、
・「1丁目1番地の2」など番地にひらがなが混じる
・「一丁目一番地2」のように漢数字が混じる
・「字(あざ)」が使われている
などです。
これはほんの一例で、土地・地域によって独特の表記の仕方があります。
また、住所表示とは直接関係がないのですが、日常的に屋号が使われている場所もあります。
日常会話の中でも頻繁に出てくるので、聞きなれないと戸惑うことがあるかもしれません。
慣れないうちは住所と勘違いしてしまうこともあるので注意が必要です。
このように、地方での住所表示には特に注意しておかないと、間違ったり勘違いしたまま記憶してしまうこともありますので、住所の正式な書き方を知るためにもしっかりと調べておく必要があります。
番地・建物名・部屋番号の正式な書き方を知るためには
普段している書き方以外に住所表示を知らない場合、正しい住所はどうやって調べればいいのでしょう。
住んでいるのがアパートなどの賃貸の場合には、入居時に交わした契約書類に番地や建物名、部屋番号が正式な書き方で表記されています。
実家などの戸建てに住んでいる場合でも、住宅を購入した際の書類に記載があるはずです。
どちらの書類も控えとして手元にあるはずですので、確認してみましょう。
このほかに正しい住所を知る手段としては、住民票を取り寄せることで確認することができます。
住民票の入手には手数料がかかりますが、役所で申し出るだけで手に入るのでそれほど難しい方法ではありません。
そして、上記の賃貸や戸建てなどの住宅の書類に記載された住所は住民票に記載されている住所が元になっています。
そのため、住所の正式な書き方を知る手段としては、一番正確なものだともいえます。
また、正式な書き方を求められる書類には添付書類として住民票が指定されることが多いですから、住民票の入手が無駄になることはないのです。
正しい住所を記入するときに注意すること
住民票を入手する、自宅に保管されている書類を確認するなどして、住所の正式な書き方がわかったら、さっそく記入欄に書きましょう。
この時に注意する点がいくつかありますのでお伝えします。
●記入する住所の向き
日本では「縦書き」と「横書き」のふたつの書き方がありますね。
住所を記入するとき、この書く向きによって書き方が変わるので注意が必要です。
まず宛名などによく使われる縦書きの注意点についてみていきます。
縦書きの場合は、基本的に番地や部屋番号などの数字を漢数字で書きます。
また「23番地」など二桁の数字を書くときには、「十」の文字は入れずに「二三番地」のように書き記します。
次に横書きですが、こちらは数字部分はアラビア数字で記入しましょう。
横書きするのは書類の住所欄が多いはずです。
宛名書きとは違い、郵便番号を書くわけではないので都道府県名の省略はしてはいけません。
手元の正しい住所をしっかり記入しましょう。
●ふりがな
ふりがなの記入は、市区町村までで問題ありません。
建物名のなかに読み取りにくい文字がある場合にはその部分を記入するようにしましょう。
住所を正しく書くことを面倒に思ったり、間違えないか不安に感じるかもしれません。
そんな方は普段から正しい住所を書くよう心がけてみましょう。
住所をきちんと正しく書くことに慣れていれば、複雑な手続きになってもスマートにこなすことができるでしょう。
番地までしかない?マンションの住所
マンションなどの集合住宅に住んでいて、住民票を入手したとき住所欄の市区町村のあとに番地、号までしか記載がない場合があります。
普段の生活の中で住所を書くときには、建物名と部屋番号まで記入することがほとんどですので、初めて目にすると驚くかもしれません。
しかし注意して見てみると、建物名や部屋番号は「方書き」として記載してあることがあります。
住所というのは番地までのことをいい、後に続く建物名や部屋番号は共同住宅などの場合に住居を特定するために方書きとして記載されます。
世帯数が30戸以上ある共同住宅に施行された住所表記で、これは部屋番号までが住所となるためこのような表記となるのです。
方書きがあることで、郵便物や荷物の配達が正確に行えるなどのメリットがあります。
また、住所の記載時に正式な書き方するためには、方書きまでを含め記入することになります。
方書きが住民票に記載されていなくて加筆したい、または既に記載済みの内容の訂正をしたい時には、役所で方書きの訂正手続きを行うことができます。
その場合にはいくつかの必要書類等、準備するものがありますのでお住いの市区町村の担当部署へ問い合わせてみましょう。
部屋番号を書いてはいけない!?車の住所
引っ越しをしたときに忘れがちなのが、車関係の登録情報の変更手続きです。
車庫証明書の申請と車検証の住所変更の2つが主なものになります。
これらの申請をする際にも住所を記入することになりますが、この住所の記入で注意しなければならないことがあります。
それは、自動車の保管場所の位置の欄に記載する住所です。
この欄には車を実際に保管する場所の住所を書くのですが、まれにアパート名やマンションの部屋番号まで書かれていることがあります。
部屋番号まで書いてしまうと、車が部屋の中で保管されているということになってしまいます。
車は屋外に置くのが一般的ですから、この欄に記入する住所は「番地まで」ということになります。
また、これらの書類に記入する住所も正式な書き方をしなければなりません。
手続きには住民票の添付が必須ですから、きちんと手元に準備して住民票に書かれている住所を書くようにしましょう。
車に関する申請には、管轄する陸運局や警察署などに出向く手間と時間がかかります。
書き損じやミスのないよう整えておきたいものです。
正しい住所を書くことを習慣づけよう
さまざまな場面で住所の記入をする機会がありますが、そのたびに迷ったり書き間違えたりしたくはないものです。
このようなことが無いよう、普段から正しい住所を書くように習慣づけておくことをおすすめします。
略した書き方はいつでもできますが、重要な場面では正式な書き方を求められます。
いつ、そんな場面に遭遇しても、できるだけスマートにこなしたいですよね。
そういった時、この記事でご紹介したことが少しでも役立てば幸いです。