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木造住宅の外壁の厚さは何に影響する?

2019.7.31

木造住宅の中で、外壁の厚さはとても重要です。

・外壁が厚い方が防音性・断熱性がよさそう。

・外壁が厚いと金額が高くなると聞いた。

・外壁が厚いと部屋の中が狭くなるのでは?

といった疑問と、実際に外壁の厚さによって影響する箇所の両方を解説していきます。

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木造住宅の外壁は厚さによって何か変わる?

「新しく木造住宅を建てるけど外壁の厚さが気になる」というお話を聞きます。

その理由としては、「厚い方が防音性・断熱性がよさそう」「厚いと金額が高くなると聞いた」「外壁が厚いと部屋の中が狭くなるのでは?」などが挙げられます。

このイメージは半分正解です。

しかし、防音性・断熱性は外壁の厚さに直接関係ありません。

確かに、厚くなると防音性・断熱性とも良くなりますが、それよりも外壁の仕様が重要になってきます。

特に断熱性では、断熱材の性能が大きく影響してきます。

金額の影響も、半分正解です。

同じ外壁材であれば厚いほど金額が高くなります。

ですが、異なる外壁材では比較のしようがありません。

同じ外壁材であれば、厚いほど意匠性に富み、性能も良くなります。

一般的に広く使用されているサイディング仕上げは厚くなるほど仕様が良く、金額も高くなる傾向にあります。

また、部屋の中の狭さは、たいていの場合、木造住宅の工法によることが多くなります。

在来工法の場合、他の部屋と変わりない広さです。

注意したいのは2×4住宅や、プレハブ工法の場合です。

2×4住宅やプレハブ工法の場合は、「通り芯」と呼ばれる、基準になる位置が在来工法の場合と異なります。

この影響で外壁面に接する部屋は狭くなります。

外壁の厚みが気になる方は、設計士によく確認することが重要です。

一般的な木造住宅の外壁の厚さ

一般的な木造住宅の場合、外壁の厚さはサイディング貼りの場合165mm程度です。

サイディングの外壁は、外側から以下のような構造になっています。

①サイディング(16mm)
②引っ掛け金物(5㎜)
③通気層(18㎜)
④防水シート(0.05㎜)
⑤構造用合板(9㎜)
⑥柱(105㎜)
⑦気密シート(0.05㎜)
⑧内装ボード(12.5mm)

(防水シートと気密シートは極薄い材料なので厚みには計算に入れません)

木造住宅の場合、「構造用合板+柱」の組み合わせを構造体と位置づけ、この外側・内側に仕上げ材を貼り外壁としています。

内側は内装ボード(厚12.5mm)が一般的です。

外壁の厚みが変わるのは外壁の仕様を変更した場合です。

外断熱やALC貼り、モルタル塗りなど、それぞれ選択する仕上げ材によって厚みが変わってきます。

最も厚くなるパターンは「外断熱仕様」とする場合で、構造体の外壁側に断熱材を張り付けます。

外断熱工法とする場合、仕上げ材も含めて外壁の厚さは100~150mmです。

外壁が厚くなると防音性・断熱性がよくなるか?

外壁の厚さは仕上げ材の仕様にとても左右されます。

では、防音性・断熱性は厚みに関連するのでしょうか?

先にも記載しましたが、実際のところ防音性や断熱性は外壁の厚さとは直接関係がありません。

外壁に使用されている材料の性能が影響します。

防音性能は、材料の「密度」が大きいものほど良くなります。

そのため、密度の大きい鉄筋コンクリート造の建物は外からの音に対して防音性能は非常に良いものになっています。

木造住宅壁で防音性能が高いのはALCです。

一方断熱性能は、材料の「密度」が小さいものほど良くなります。

これに当たる材料が、クーラーボックスなどに使用される発泡スチロール等、いわば断熱材です。

実際の木造住宅には、繊維系のグラスウール、現場発泡系の吹き付け断熱、板状の発泡プラスティック系があります。

いずれも外壁の壁内部に入れるか外側に張り付けるものです。

断熱性能は使う製品により異なり、厚くても断熱性の低いものもあります。

厚みよりも仕上げ材の性能に留意する必要があります。

木造住宅の外壁の厚さは金額に反映するか

木造住宅で、外壁に使用する仕上げ材の厚さは金額に反映されます。

ただし、これは同じ材料を使用した場合に限られます。

例えばサイディングボードです。

一般的な厚みは16mmですが、14mmや18mm、21mmなど複数の厚みがあります。

これらは、やはり厚みのあるものが高くなります。

その理由は、単純に一枚当たりの材料費が高くなるからです。

また板厚の厚いものであれば陰影の深い、表情豊かなサイディングを作ることができます。

さらに従来の厚さでは難しかった、目地シーリングなしの納まりや、クギを使わない金物工法といった新技術を使うことも可能です。

これらの表情豊かな意匠や、新技術を使って長期間メンテナンス不要のサイディングとして使うことを考慮すると、厚みが必要となり金額に反映してきます。

他の材料でも同じです。

ALCも厚くすれば性能が良くなりますし、モルタル塗りも厚ければ表情豊かな意匠とすることができます。

外壁の厚さによって部屋の広さが変わる場合

木造住宅の外壁の厚さで部屋の広さが変わる場合があります。

2×4工法とプレハブ工法を採用している住宅では特に確認が必要です。

外壁の厚さが部屋の広さに影響するパターンとして、外壁の「通り芯」の影響が大きくあります。

「通り芯」とは、建物を建てる際に基準となる線です。

図面上でしか表現できませんが、実際の建物に大きな影響を及ぼします。

この「通り芯」が外壁のどの部分を通っているかで部屋の広さに影響を及ぼします。

在来工法の場合、通り芯は柱の真ん中を通るので外壁の厚さが部屋の広さに影響を及ぼすことはありません。

外断熱仕様でも、通り芯は変わらず外壁の厚みだけが増えます。

2×4工法やプレハブ工法の場合、外壁仕上げ材の厚みも含めた通り芯とする場合があります。

この場合、外壁の仕様によって壁の厚みが異なり部屋の中が狭くなります。

広い部屋では問題になりませんが、狭い洗面所に大きな洗濯機を入れる場合、スペースが足りず入らないということもあります。

寸法の決まった家具・家電を入れる場合はよく確認する必要があります。

外壁の厚さが影響する箇所

設計士さんからすれば、木造住宅の外壁の厚さが変わると、「窓枠の幅」「軒の出」「隣地からの外壁後退距離」の3箇所に影響するといえます。

窓枠の幅は、外壁の厚さが見た目とコスト増に影響します。

外壁の厚みが増える分、窓枠の幅が広くなり金額が高くなってしまうのです。

また、外壁の厚みに合わせて「ふかし材」を外壁に取り付け、窓の取り付け位置を調整する必要があります。

ふかし材の材料費・取り付け手間もコスト高の要因です。

そして、外壁の厚さが厚くなると軒の出が小さくなります。

これは軒先の耐風力が外壁の厚さに影響せず、桁・梁からの長さで計算するためです。

軒の出が小さくなると外壁に雨がかかりやすくなります。

雨がかかりやすくなるので、ちょっとの雨でも窓を閉めなくてはいけません。

外壁にも雨がかかりやすくなるため、外壁の劣化が早くなってしまいます。

さらに、窓から入り込む日差しの影響も大きいです。

夏の鋭い日差しが直接室内に飛び込むため、室温が上昇しやすくなります。

隣地からの外壁後退距離は、民法上50cm規定です。

規定では隣地境界線より建物の外壁を50cm離す必要があり、外壁が厚くなると建物の立つ位置を調整しなければなりません。

狭小地に建てる場合、両方の隣地境界線からギリギリの所で建てることが多く、外壁が厚くなれば室内の広さに直結してきます。

木造住宅は外壁の厚さで様々な箇所に影響する!

木造住宅で外壁の厚さが実際に影響するのは、「窓枠の幅」「軒の出」「隣地からの外壁後退距離」です。

「窓枠の幅」はコスト増に、「軒の出」は雨がかりの影響を受けます。

「隣地からの外壁後退距離」は狭小地で建物の大きさそのものに影響を与えます。

これらの関係を上手にまとめるのが設計士さんの仕事です。

住宅を建てる際、よく相談して快適な家を建てて頂ければ幸いです。

 - 建物, 構造