積立NISAはリバランスに不向き?その理由と対策方法は?

「積立NISA」は、年間40万円までの運用益が非課税となる制度で、現在では120本以上もの投資信託が対象品として認定されています。

投資信託で利益を上げるためには、適切なリバランスが求められますが、積立NISAの制度上、リバランスを利用した運用が難しいと言われています。

この記事では、積立NISAがリバランスに不向きな理由から、リバランスせずに運用していく方法などをご説明していきます。

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ポートフォリオの維持にはリバランスが重要!そもそもリバランスとは?

一般的な投資信託の場合、安定したポートフォリオ(資産配分)の維持を図るために、リバランスで比率を修正していくという手法が用いられています。

相場は時間経過とともに変動し、ポートフォリオもそれに伴って変わっていくわけですが、それは当然リターンだけの振れ幅に影響するわけではなく、想像以上のリスクに繋がる可能性もあります。

そのため、ポートフォリオを当初の割合に調整し、リバランスというメンテナンスを行うことで、資産配分の安定化を図ることができます。

投資初心者にとっては、このリバランスはなかなかイメージしづらいので、例を挙げてご説明していきましょう。

例えば、国内株式25万円、外国債券25万円の合計50万円でポートフォリオを組んだ場合です。

1年後、株式のみが2倍に値上がりすれば、国内株式50万円、外国債券25万円となり、トータルは75万円になります。

資産が増えることに越したことはありませんが、それと同時に損失を被るリスクが大きくなり、ポートフォリオのバランスも崩れてしまいます。

これを避けるために、国内株式37.5万円、外国債券37.5万円とリバランスを行うことで、ポートフォリオの比率を当初の割合に戻すことができます。

すると、例えばその後に外国株式が1/2に値下がりしたとしても、国内株式37.5万円、外国債券18.75万円、トータル56.25万円と利益を残すことが可能になり、当初よりも背負うリスクを小さすることができます。

このようなリバランスが常にプラスに作用するとは限りませんが、自動的に高くなった商品を売るのと同時に、安くなった商品を買うことができ、安定した資産運用に繋がるわけです。

では、なぜ積立NISAではリバランスが不向きと言われているのでしょうか。

次項で詳しく見ていきましょう。

積立NISAはリバランスに向いていない?非課税枠の消費

積立NISAには売却益や分配金の運用益に対し、年間40万円が非課税になるというメリットがあります。

例えば、投資信託で10万円の利益が出た場合、通常は2万円ほどの税金を支払う義務があるため、実際に受け取れる金額は約8万円なります。

一方で、積立NISAで運用をした場合、10万円の利益に課税されることはなく、そのまま受け取ることができます。

しかし、こまめなリバランスを行う手法では、この非課税枠はその都度消費されてしまうことになり、積立NISAの制度上、購入に当てられた非課税枠は復活することはありません。

つまり、あえて積立NISAでリバランスを行う必要性を見出せなくなってしまうのです。

非課税という積立NISAのメリットを最大限活かそうとするのであれば、頻度の高いリバランスを用いる手法は決しておすすめできるものとは言えません。

積立NISAはスイッチングができないことも考慮が必要

積立NISAがリバランスに向かない理由には、積立NISAにおいて「スイッチング」ができないというデメリットも関わっています。

「スイッチング」とは、現在保有している投資信託の商品を買い換えることを指し、自分の運用目的・期間に合わせて金融商品を切り替えることができる便利な機能です。

よく積立NISAと併せて取り上げられる「iDeco(個人型確定拠出年金)」では、投資信託の売却において課税されることなく、このスイッチングによってポートフォリオのリバランスを図ることができます。

例えば、金融商品Aが60%、金融商品Bが40%というポートフォリオがある場合、金融商品Aの10%分を売却し、その売却代金で金融商品Bを10%購入することで、ポートフォリオの調整が行えます。

しかし、積立NISAの場合、このスイッチングを利用したリバランスをすることができないため、しばしばiDecoとの違いにおけるデメリットとして挙げられています。

このデメリットも踏まえると、「積立NISAはリバランスに不向き=複数の投資信託を運用することに不向き」と考えることができます。

やり方次第ではリバランスも可能?ノーセルリバランスとは

積立NISAがリバランスに向いていない理由を述べてきましたが、実はやり方次第ではリバランスをしてポートフォリオの維持を図ることができます。

それは、「ノーセルリバランス」を用いる方法です。

「ノーセル(売らない)リバランス」とは、ポートフォリオが崩れてきた際、比率の高い資産は売却せずに、比率の低い資産を追加購入することで、ポートフォリオのバランスを維持する手法です。

通常、高くなったものを売却し、安くなったものを購入する前提でリバランスは行われますが、ノーセルリバランスでは、「比率の高いものに合わせて他を買い足す」というスタイルになります。

これは結果的に毎月の積立を行うことでリバランスを図ることになりますが、急激なポートフォリオの調整でなければ、積立NISAでも行うことが可能になります。

ただし、ノーセルリバランスはあくまでもその価値が戻ることが前提なので、価値が下がり続ける商品には適していません。

そのため、特に初心者にとってはポートフォリオの維持が容易ではないことを理解しておきましょう。

積立NISAでの分散投資にはバランスファンド

では、これまでのデメリットを踏まえた上で、リバランスに不向きな積立NISAで資産を運用していくためには、どのような投資を行っていけば良いのでしょうか。

そもそも投資信託で運用をする上では、必要性に応じた手法が求められ、必ずしもリバランスを必要とするわけではありません。

つまり、積立NISAが「複数の投資信託を運用することに不向き」なのであれば、あえてリバランスする必要をなくすために、あらかじめ一つの商品に絞る「バランスファンド」で資産を運用していく方法がとれるのです。

「バランスファンド」とは、複数の資産対象があらかじめパッケージ化されている1本の商品で、投資初心者でも手軽に分散投資をすることができます。

バランスファンドの大きなメリットは、リバランスの必要性がない点で、その定期的なリバランスは自動的に運用会社が行ってくれます。

つまり、このバランスファンドを投資先に選ぶことで、複数の資産を調整するポートフォリオのリバランスが一切不要になるというわけです。

あらかじめリスク分散を図れる上に、リバランスが不要という点は、非常に魅力的なメリットと言えます。

バランスファンドを選ぶ上での注意点は?

リバランスに不向きな積立NISAでは、「バランスファンド」を選ぶことでリバランスの必要性がなくなることが分かりました。

しかし、バランスファンドにもいくつかのデメリットが存在します。

まず、1つ目のデメリットは、他の投資信託と比べて手数料が割高になるという点です。

通常、投資信託にかかる手数料には、「購入手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」の3つがありますが、バランスファンドの場合、「信託報酬」が割高になる傾向があります。

「信託報酬」とは、運用会社が投資信託を運用するためのコストで、投資信託を保有している限りは日々発生する費用です。

例えば、通常のインデックスファンドが年率0.2%である一方で、バランスファンドは年率0.3~0.4%と少し高くなり、運用会社によっては1.0%を超えるものもあります。

また、2つ目のデメリットは、大きいリターンが望めない点です。

一般的に、投資先の分散性の向上は、その分大きなリターンを得ることが望めません。

と言うのも、分散性は、大幅な変動リスクを最小限に抑えるメリットがありますが、それと同時に見込めるリターンの幅も狭めてしまいます。

そのため、大きなリターンを求める方には不向きと言えます。

3つ目のデメリットは、ポートフォリオのカスタマイズができない点です。

前述したように、バランスファンドはあらかじめ複数の資産クラスをセットにしたものであるため、自由にカスタマイズすることができません。

したがって、購入前にはファンドの説明書をしっかりと確認することが大切です。

積立NISAのメリットを考えた投資方法を

積立NISAは制度上、頻度の高いリバランスに不向きであることから、複数の資産を運用することに向いていません。

積立NISAのメリットを優先して考えるのであれば、リバランスが不要なバランスファンドを投資先に選ぶことで、非課税枠を消費することなく、分散性を高めた資産運用をすることができます。

今回の記事を参考に、自分のスタイルに合わせた投資信託の運用をしていきましょう。