賃貸アパートの中には、洋室ではなく、畳の部屋があることは珍しくないですよね。
畳の部屋は布団を敷いて眠るイメージが強いですが、足腰に負担が少ないベッドで寝起きしたいと考える人も少なくないでしょう。
畳の部屋にベッドを置くことはできるのでしょうか。
今回は、畳の部屋にベッドを置く際の注意点や、賃貸アパートの退去の際の修繕費用についてお話ししていきます。
賃貸アパートの畳の部屋にベッドは置ける?
ベッドは布団と比べると、足腰に負担がかかりにくいという特長があります。
そのため、布団ではなくベッドで寝起きしたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
住んでいる賃貸アパートが畳の部屋のみだったら、ベッドを置くことはできるのでしょうか。
そこで、まずは畳の性質について見ていきましょう。
畳は日本に古くから伝わる伝統的な敷物です。
畳には空気中の有害物質を吸収し、さらに湿気をコントロールするという、自然の空気清浄機のような効果が期待できます。
そのため、高温多湿である日本の環境に適した敷物として、昔から使用されてきました。
畳の部屋と聞くと、どうしても布団を敷いて寝起きするイメージが強いものです。
しかし、畳に長時間布団を敷きっぱなしにすると湿気が溜まり、カビが生えてしまう原因となります。
人は一晩眠るとコップ1杯分の汗をかくと言われているため、カビを予防するには、こまめに布団をたたんだり、干したりする必要があるのです。
そのため、ベッドを畳の上に置いて寝起きすると、実は布団で眠るよりも湿気が溜まりにくくなるのです。
湿気対策やカビ予防の観点から見ると、畳の上にベッドを置くことは悪いことではなく、むしろおすすめだと言えます。
畳の上にベッドを置く!畳を傷めないための対策は?
賃貸アパートの畳の部屋でベッドを置く際の、注意すべき点と対策をご紹介していきましょう。
まずは「畳のへこみ」についてです。
脚付きベッドを畳に置くと、どうしてもへこみ跡がついてしまいます。
重量のあるベッドを長時間同じ場所に置いておくことで、脚部分に重さが集中し、深いへこみ跡となってしまうのです。
そのため、なるべく畳を痛めないよう、ベッドを置く前に対策をしましょう。
畳のへこみには敷物を敷いて対策しますが、おすすめなのは以下のものです。
・座卓敷
・い草敷きパット
・ジョイントマット(畳柄)
・ゴム片
・木片
・ウッドカーペット
上記のものを脚の下に敷くと、重さが分散され、畳のへこみを軽減することができるでしょう。
ただ、完全には防ぐことはできないため、一定期間がたったらベッドの配置を変えるなどして対策をとりましょう。
ダニやカビに注意!畳の上にベッドを置くと湿気が溜まりやすい?
先ほど、布団を長時間敷いたままにするよりは、ベッドの方が湿気が溜まりにくいというお話をしました。
しかし、極端に高さが低いベッドに関しては注意が必要です。
というのも、ベッドの下はマットレスや掛け布団に含まれた汗などの水分が下へと落ちていくため、湿気が溜まりやすいのです。
ローベッドの場合、溜まった湿気が逃げていくことが難しいため、その場に留まり続けます。
ダニやカビは湿気の多い場所で繁殖していくため、どんどん増えてしまうでしょう。
特に、賃貸アパートが新築だった場合、畳も新品になるでしょうが、新しい畳は湿気やほこりをたくさん吸収する性質があるため、より湿気が溜まりやすくなってしまうのです。
そのため、ベッドの下に何かしら対策をする必要があります。
ダニ、カビ対策としては次のことがおすすめです。
・湿気吸収シートを敷く
・抗菌マットを敷く
畳のへこみ対策でよくベッドの下にカーペットを敷く人がいますが、湿気がより溜まりやすくなってしまうので控えてください。
カーペットを敷く場合は、その下に湿気吸収シートを敷くことで湿気対策となります。
賃貸では特に注意!ベッドの配置換え
畳のへこみ対策や、気分転換といった理由で、ベッドの配置を変えたいと考える人もいるでしょう。
しかし、賃貸アパートでは畳を傷つけないように移動させることが前提となります。
畳を傷つけないように移動させるには、ベッド自体を持ち上げる必要がありますが、1人ではなかなか難しいですよね。
そこで、ベッドの配置換えにおすすめのアイテムは、段ボールです。
段ボールを部屋に敷き、ベッドを引きながら移動させるといった方法です。
この時、薄手の段ボールだとずれやすく、ずれたことで畳が傷つく恐れがあるため、厚手でサイズの大きい段ボールを使用するようにしましょう。
また、段ボールが用意できない場合は毛布でも代用できます。
この時、毛布も厚手のタイプを選ぶようにしましょう。
畳の部屋では頻繁にベッドの移動をすることは難しいため、最初のベッドの位置はよく考えて配置するようにしましょう。
畳の部屋に合うベッドの種類とは?
ここまで、賃貸アパートの畳の部屋にベッドを置く際の、注意点と対策を見てきました。
では、畳の部屋にはどのようなベッドがマッチするのでしょうか。
ここでは、畳と相性の良いベッドをご紹介していきましょう。
●ナチュラル系
木材は畳同様、天然の素材です。
畳は機械的な金属質なものとの相性は良くありませんが、木材との相性は抜群です。
木目調のベッドなら、和室におしゃれにマッチするでしょう。
●ヘッドの小さなもの
大き目のヘッドがついたものは洋室のイメージが強いため、畳の部屋にはおすすめしません。
また、ヘッドが小さなものでも、引き出しタイプ、収納タイプは開閉の際に畳を傷つける恐れがあるため、避けたほうが良いでしょう。
●ローベッド
高さがあるベッドも洋室のイメージが強くなります。
極端に低いベッドはおすすめしませんが、同じ部屋で使用するローテーブルと同じくらいの高さのベッドを選ぶとバランスが良くなるので、おすすめです。
賃貸アパートの畳の部屋にベッドを置く!退去の際の修繕費用は?
賃貸アパートにお住まいの人で、畳の部屋にベッドを置くと、退去の際の修繕費用が高くなると考える方は多いでしょう。
畳にへこみ跡ができてしまった場合、退去時に修繕費用はかかるのでしょうか。
実は、畳にできてしまったベッドのへこみは、修繕費用がかからないケースが多いです。
しかし、これはあくまで通常の生活をしていた場合のみに適用されるものです。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、「経年劣化や通常生活で起こることが予測される損傷の場合は、貸主が補修費用を負担する」といった内容が記載されています。
ベッドの下にきちんとへこみ対策を施し、畳を傷つけないように生活した場合にできた多少のへこみであれば、上記に当てはまることが多いです。
しかし、頻繁にベッドを移動したり、故意に畳を傷つけた場合はこれに当てはまりませんので、畳の補償費用が発生するでしょう。
また、契約時に交わした賃貸契約書に畳の記載がある場合はそれに従わなければなりません。
例えば、「借主が退去時に畳の張り替え費用を負担」とあれば、修繕費用を負担しなければならないのです。
賃貸アパートを契約する際は、最初に契約書をよく確認しておく必要があります。
賃貸アパートの畳の部屋は対策を行ってベッドを置こう
賃貸アパートの畳の部屋にベッドを置くには、へこみに注意し、湿気対策を行うことが重要だとお話ししました。
ベッドの配置換えの移動の際は、畳を傷つけないように注意しながら行いましょう。
また、通常の生活で付いた傷に関しては、アパートの退去の際に修繕費用が発生することはあまりありません。
畳についたへこみ跡もこれに当てはまりますが、契約書によっては費用負担する可能性もあるため、注意しておきましょう