2014年にスタートしたNISA。
2015年には新たな制度が設けられ、毎年今とは別の金融機関に口座を変更できるようになりました。
しかし、開設したはいいものの、「どのタイミングで」「どのように」変更すればいいかわからない方もいるかと思います。
この記事では銀行から証券会社に変更した場合の手順について解説しますので、ぜひNISAの運用に活かしてみてください。
NISA口座を変更したほうが良いのはどんなとき?
将来の資産形成のために、NISA口座を開設したという人も多くいるでしょう。
NISA口座は制度変更により、それまで4年に1度しかできなった口座変更が毎年できるようになり、メリットのある人にはとても嬉しいものになりました。
しかし開設したばかりの人であれば、NISA口座をどのタイミングでどのように変更すればよいのか悩むこともあるでしょう。
この記事でご説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
まず、どのタイミングで行えばいいかという点についてお話ししていきます。
特に今の金融機関で不満がない場合は変更する必要はありませんが、以下のことに当てはまる方でしたら、今が変更するタイミングといえるでしょう。
●今利用している金融機関に運用したい商品がない
●株式もしくは上場株式の購入を考えているが取扱いがない
●変更を考えている金融機関のほうが使い勝手が良い
●今の金融機関の取引手数料に不満を感じる
金融機関によって、ファンド数の違いがあったり株式の取り扱いの量も違ってきます。
さらに、使い勝手の良さも人それぞれですから、金融機関との相性も関わってきます。
使いやすさや取扱いの幅などの相性を図りながら、選ぶようにすると良いでしょう。
ポイントを把握!失敗しない選び方を知ろう
今がNISA口座を変更するタイミングの方は、失敗しないように選ぶことも大切です。
使い勝手良さなどは人によって違いますから、この点は自分で見極めるしかありません。
しかし、失敗しないためのポイントがないわけではありません。
ここで、そのポイントをご紹介します。
●証券会社と銀行
NISA口座を開設できる金融機関は、証券会社か銀行の二択です。
それぞれの特徴は次のとおりです。
【証券会社】
・株取引や投資信託の種類が豊富
・証券によっては手数料が安い
・店頭だけでなく、ネット証券もある
【銀行】
・以前から預金などで利用しているため、身近な存在である
・株取引や投資信託の取り扱いの数がかなり少ない
・投資信託の手数料が高い
資産形成のために行うのでしたら、証券会社を選ぶ方がおすすめですね。
●店頭証券とネット証券
証券には店頭証券とネット証券がありますが、どちらのほうが良いのでしょうか。
選ぶポイントして購入するときなどにかかる手数料が挙げられますが、ネット証券であれば販売手数料はかなり安くおさえられます。
店頭証券である野村証券を例に見てみますと、100万円分の株取引を行った場合、そのときの販売手数料は11,967円です。
つぎにネット証券である楽天証券を例に見て行くと、先ほど同様100万円分の株取引をしたとき、販売手数料はわずか609円で済みます。
以上のように、店頭の場合は1万円も高く手数料がかかってしまうので、ネット証券のほうがおすすめといえます。
2つのポイントを参考に、NISA口座の変更先を決めてみてはいかがでしょう。
NISAを取り扱っている金融機関!その中でネット証券はどこがおすすめ?
先ほど、銀行よりも証券会社、店頭証券よりもネット証券を選ぶことがポイントとお伝えしましたので、ここでおすすめのネット証券の会社をご紹介しましょう。
【楽天証券】
国内株式の売買手数料が恒久無料で、手数料がかからないノーロード投資信託が多いことも特徴的です。
【マネックス証券】
国内株の売買手数料がかからず、海外の株に至ってもキャッシュバックで買付手数料が実質無料になります。
【SBI証券】
こちらも楽天証券と同様恒久無料で、投資信託の本数は業界で最多のネット証券です。
【松井証券】
国内株の売買手数料が恒久無料であり、ETFやREITの手数料も無料です。
【GMOクリック証券】
こちらも国内株の売買手数料は恒久無料です。
ほかの手数料も圧倒的な安さで知られています。
以上のネット証券が代表的ですので、もし今NISA口座を変更しようと考えている方は、参考にしてみてください。
手順を解説!NISA口座を銀行から証券会社へ変更①
それではここから、実際にNISA口座をどのように変更するかをお話ししていきます。
まずは、銀行から証券会社に変更するときの手順です。
①銀行でNISA口座の金融機関を変更することを伝える
電話やインターネットから申し込めます。
②金融商品取引業者等変更届出書(非課税口座廃止届出書)が送られてくる
③金融商品取引業者等変更届出書(非課税口座廃止届出書)に記入をし、銀行へ提出する
④非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)が発行される
金融商品取引業者等変更届出書で依頼して、非課税管理勘定廃止通知書が発行されるまで1ヶ所程度かかります。
ちなみに、この非課税管理勘定廃止通知書とは、変更前の金融機関のNISA口座で購入したものは、変更前の金融機関で保有することができ、売却もできるという通知書です。
こちらは金融商品取引業者等変更届出書で申請をします。
そして、非課税口座廃止通知書は、変更前の金融機関のNISA口座を廃止する場合に発行される通知書で、非課税口座廃止届出書で依頼する必要があります。
ここまでが銀行で行う手順となります。
手順を解説!NISA口座を銀行から証券会社へ変更②
銀行でNISA口座を変更する旨を伝え、非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)が発行されたら、つぎは証券会社に口座開設の依頼を行います。
証券会社での流れは次のとおりです。
①証券会社にNISA口座を開設する旨を伝える
電話もしくはインターネットで申し込めます。
もし、変更先の証券会社で口座がなければ(はじめて開設する場合)、新しく口座を開設することからはじめます。
NISA口座の申請と同時に行うことが可能です。
②申し込み終了後、証券会社から非課税口座開設届出書が送られてくる
口座を開設する場合は、そのための書類も送られてきます。
③記入した非課税口座開設届出書を証券会社に提出する
このとき一緒に、銀行から発行された非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)も提出します。
また、口座開設の書類も同様です。
④証券会社からNISA口座開設完了の通知が届く
これで、銀行から証券会社への変更は完了です。
いま銀行でNISA口座を開設している方で、将来のための資産形成を考えているのであれば、証券会社への変更が得策といえます。
その際は、ご説明した手順で申請をしてみてください。
NISA口座を変更する際の注意点!できないケースも
NISA口座を銀行から証券会社に変更したい場合の手順についてご説明してきました。
しかし、変更する際に注意しなければいけないこともありますので、頭に入れておきましょう。
●変更前の商品は変更先へ移すことができない
変更前に購入していた場合、NISA口座は変更できても、購入した商品は変更前の金融機関に残ります。
その際、5年間は非課税で運用可能となります。
●今年NISA口座で購入していたら、今年は変更が不可能
今年NISA口座で商品を購入した場合、今年の間は金融機関の変更はできません。
翌年にならないと変更不可となります。
●今年購入していなくても、受付期間外は変更が不可能
変更したい年の、前年10月から変更したい年の9月までの間が受付期間となります。
もし、2018年からNISA口座を変更したい場合は、2017年10月から2018年9月までが受付期間となるのです。
ですから、2018年10月に受付をしても、2018年ではなく2019年からの変更となるわけです。
以上のように、今年変更したくてもできないケースもありますから、注意して変更の申請を行うようにしましょう。
証券会社に変更しNISAを賢く運用!
NISA口座を銀行から証券会社へ変更する場合の手順などを解説しました。
銀行よりもメリットが多く、さらにネット証券であればより多くのメリットがあります。
将来の資産形成を考えるのであれば、証券会社は断然おすすめです。
NISAを銀行から証券会社へ口座変更し、資産形成のために賢く運用してみてはいかがでしょう。