テレビコマーシャルで耳にする機会が多い「NISA(ニーサ)」。
聞いたことがあるものの、NISAとはそもそもなんなのかという方も多いことでしょう。
そこで、NISAのメリットとデメリットもふまえ、くわしく解説していきます。
株式投資初心者の方、必見ですよ!
NISA(ニーサ)とは?
NISA(ニーサ)を聞いたことがあっても、具体的にどのようなものなのかご存知ない方も多いことでしょう。
そもそもNISAとは、2014年に施行された「少額投資非課税制度」のことをいいます。
簡単にご説明すると、投資で得た利益に対して通常支払う税金が非課税になる制度のことなのです。
現在、投資で得た利益に対しては20.315%の税金がかかることになっています。
しかし、このNISA口座を利用することによって税金を支払う必要がないということなのです。
ここ最近の銀行金利は、ご存じのとおり超低金利ですよね。
それなのに、せっかく出た利益分には20.315%も税金がかかってしまうなんて、なんとも悲しいものでもあります。
これから株式投資をしてみたいと思っている方は、NISAを活用しない手はありません。
ただし、NISAには税金が非課税になる金額の上限が毎年120万円と決められています。
また、非課税枠の利用期間も最長5年と定めがあるのです。
さらに、NISAの口座開設は2023年までと、期間が定められています。
期間限定の制度でもあるNISAですから、できるだけ活用したいものです。
それでは、そのNISAのメリットとデメリットをふまえ、くわしく解説していきましょう。
NISAのメリットとその特徴
NISAのメリットは、なんと言っても利益に対して税金が課せられないという点でしょう。
わかりやすく、一例をご紹介しましょう。
NISAではない口座で、株式の売却益が20万円出たとします。
そうすると、20万円に20.315%課税されて40,630円を納税する必要があるのです。
しかし、これをNISA口座で取引していたならば、全額非課税となるというわけですね。
ただし、NISAの非課税枠は年間120万円です。
これは、利益分の枠が120万円なのではなく、株や投資信託などを120万円分まで買えるという意味です。
間違えないように注意してくださいね。
また、NISAは一人に対して一つの口座しか作ることができません。
つまり、全証券会社の中で一つしか口座を作れないのです。
いくつかの証券会社に分散しようと考えられていた方は注意するようにしてくださいね。
NISAは、株式投資をされる方にとってぜひとも活用したい制度ですが、もちろんデメリットもあります。
次項で解説していきましょう。
NISAのデメリットとは
前項でお話ししましたとおり、NISAには投資におけるメリットがあります。
しかし、反対にデメリットもあるのです。
NISAは、通常の証券口座では可能な「損益通算」と「繰り越し控除」ができません。
まず、損益通算とはその言葉どおり、出してしまった損失と得た利益を相殺するということです。
通常、利益に対しては20.315%課税されますが、他の銘柄で損失を出してしまった場合は利益と損失分を相殺することができ、これにより納税額をおさえることが可能なのです。
繰り越し控除とは、その損益通算をしてもなお損失が上回る場合に、3年間その損失分を繰り越すことができるというものです。
例えば、損益通算してもまだ30万円の損失が残る場合、翌年に10万円の利益が出たとしても前年の損失30万円と相殺することにより、税金を納める必要がないということなのです。
NISAではこの損益通算と繰り越し控除ができない点が、大きなデメリットの一つといえるでしょう。
わかりやすく例を挙げてみましょう。
昨年、NISA口座で50万円の損失を出しとします。
今年、通常口座で30万円の利益を出したとしましょう。
そうすると、NISA口座では損益通算も繰り越し控除もできないため、昨年50万円の損失を出しているにも関わらず、30万円に対して20.315%課税されてしまうことになるのです。
つまり、60,945円を納税しなくてはならないということなのです。
NISAには隠れたデメリットがある!?
税金におけるメリットがあるNISAですが、前項でお話ししたようなデメリット以外にも見過ごしがちなデメリットがあるのです。
それは、手続きが面倒だという点です。
2014年から始まったNISAですが、当初は住民票などの確認書類の提出が必要でした。
2018年からは住民票等の提出の必要こそなくなりましたが、マイナンバーは必ず提出しなくてはいけないのです。
また、NISAは一人一口座が原則です。
そのため、NISAの申し込みを受け付けた金融機関は、他の金融機関で同一人物のNISA口座が存在しないか税務署に確認する作業があるのです。
この作業に約1~2週間ほどかかってしまうので、日々刻々と値動きのある株式を運用する口座にしては手間と時間がかかるイメージですよね。
また、配当金の受け取り方に関しても注意すべきことがあります。
基本的に配当金には20.315%課税されますが、NISAだと非課税になります。
ただし、ここで配当金の受け取り方を「株式数比例配分方式」にしましょう。
これ以外の受け取り方を選択してしまうと、通常通り20.315%課税されてしまうためです。
見落としてしまいやすい点なので、注意してくださいね。
NISAの投資においてのデメリット
NISAには、投資上知っておくべきデメリットもあります。
それは、短期的な投資には向いていないという点です。
短期的な投資とはつまり、株価が下がったから買い、上がったから売るという取引を短期間に繰り返し行うことですね。
例えば、10万円分の株を20回売買取引したとしましょう。
そうしたら、あっという間に取引額は200万円となります。
NISAの非課税枠は120万円ですから、短期的に売買をしてしまうとすぐにその非課税枠を使い切ってしまうことになるのです。
そうすると、せっかくのNISAのメリットも台無しですよね。
ですから、株価の値動きを逐一チェックして売買を行うようなスタイルでは、NISAには向いていないといえるでしょう。
NISAは短期的な投資ではなくて、中長期的な投資を視野に活用するようにしましょう。
NISAのメリットの恩恵を受けるにはどんな銘柄がいい?
ここまでの内容ですと、NISAにはデメリットの方が大きいような気がしますよね。
しかし、NISAは利益に対して非課税になるのですから、そのメリットをうまく活用しましょう。
そこで、NISAのメリットの恩恵を受けるべく銘柄を決めていきたいところですが、いったいどのような銘柄を選ぶといいのでしょうか。
まず、前項で解説しましたようにNISAは中長期的な投資が向いています。
ですから、中長期的に見て株価が上がっていきそうなのに現在の株価が割安な銘柄や、安定的な配当金の分配を期待できる銘柄などがいいでしょう。
NISAは非課税期間が最長で5年ありますから、5年程度持っていても大丈夫そうな銘柄にしましょうね。
ただし、あまり商い量の少ない銘柄は避けるようにしてください。
商い量が少ない銘柄は、予想もしないような株価になることがあります。
そうすると、中長期的な投資には向いていないともいえます。
また、人の意見を鵜呑みにして投資もしないようにしてくださいね。
誰かがいいといった銘柄は、その時点で高値掴みになってしまう可能性があるからです。
これは、NISA口座かどうかにもかかわらず、投資全般にいえることです。
あくまでも、自分自身でそれぞれの銘柄を調べて、自己責任で投資を行うようにしましょう。
NISAのメリット・デメリットを理解して投資しよう
株式投資初心者にとって利益分が非課税になるNISAは、投資をスタートをするうえでいいきっかけとなるでしょう。
ただし、解説してきましたように、NISAにはメリットだけじゃなくデメリットがあります。
そのデメリットをしっかりと理解していなければ、せっかくのNISAのメリットを活かしきれないことにもなります。
NISAのメリットとデメリットをきちんと把握して、株式投資を始めてみましょう!