盛土の造成地に安定した家を建てるなら!ポイントは「期間」

造成地には地盤の安定性などに関して心配であるという声を耳にすることもあります。

それには、その造成地の造り方が切土か盛土かによっても違いがあるのです。

また、もし盛土で造成地を造った場合、どの程度の期間を空けて建物を建てると、より地盤の強度が安定するのかについてもご説明していきます。

造成地を造る期間や建物の安定性が気になる

新築などで土地を探す際、土地の種類には様々なものがあることに気がつきます。

新築を建てる際などには造成地を選ぶ方もいますよね。

そこで、ここでは造成地とはどのような土地のことを指すのかをご説明していきましょう。

造成地とは、その名の通り造られた土地という意味です。

その造成地の造り方には、切土と盛土の2種類があります。

その種類やその土地の状況などによっても、造成地を造る際に要する期間にも違いがあるでしょう。

本来ある姿のままではなく、人の手を加えて造られる造成地は、建物の安定性などが気がかりであるという声があるのも事実です。

切土の特徴とは?盛土と併せる場合は地盤強度の安定性に注意

前項では、造成地の造り方には切土と盛土があると述べました。

それぞれに特徴があるため、ここではまず切土についてご説明していきましょう。

切土は、斜面を削って平地を造ったものです。

例えば、山奥にある山林などでは傾斜が著しく強い部分などもあり、そのような部分のある土地に建物を建てることは、安定性に欠けるため無謀とも言えるでしょう。

しかし、その部分を除けば広さや地盤などに問題がない土地も多く、切土を施すことにより土地の価値を高めることができます。

切土によって造られた造成地に建物を建てる場合、元からある地盤の上にそれを建てます。

そのため、造成地といっても元からの地盤の強度を生かせることが多く、建物を建てたとしてもその安定性は高いと言えます。

また、切土で造られた造成地の中には、一部に盛土を併せて施すことが必要な場合もあります。

そのような造成地の場合、切土で造られた部分と盛土で造られた部分によって強度が異なり、結果として地盤全体の強度の安定性を欠くことになってしまうことも懸念されます。

それだけでなく、2種類の造り方を施すことになるため、切土か盛土のどちらか一方で造る場合に比べ、それに必要な期間が確定しづらいということもあります。

盛土か切土に限らず造る期間が短い造成地は地盤の安定性に欠ける

造成地のもう一つの造り方として、盛土をご説明しましょう。

盛土は、その名の通り本来の土地に土などの材料を盛って固める作り方です。

そのため、もともとの地盤と新しく持ってきた土の間が滑りやすいというリスクがあります。

前項でご説明した切土も、そのままでは建物を建てることには適していないと言えますが、地盤は高い傾向にあります。

つまり、同じ造成地と言っても地盤の強度には違いがあるということです。

このように、造成地には切土と盛土という2つの造り方がありますが、地盤の強度に焦点を当てると切土の方が安定性が高いと言えます。

しかし、あくまでも造成地は人の手を加えて造られた土地であるため、長い期間を経て高い強度を得た土地の地盤と比べると劣り、また安定性にも欠けます。

その劣った強度を補強するためにも、場合により造成地に地盤工事を施すことが必要でしょう。

盛土は性質の安定に期間を要することも

造成地の2つの造り方によっても、その地盤の強度が異なることが分かりました。

しかし、造成地の地盤の強度はその造り方だけで測れるわけではありません。

例えば、盛土で造成地を造る場合、その土地の周辺にある土などを使って造ることが多いでしょう。

それが田んぼなど、比較的水分を含んでいる土地が密集している場所からの場合、当然その土も水分を含んでいると言えます。

また盛土を大規模に施す場合などは、いくつかの場所から土などの材料を調達して寄せ集めて使うことも考えられます。

寄せ集められた土などの材料は、それぞれ性質が異なることもあるため、密着性などが懸念されることもあるでしょう。

つまり、それぞれの材料が主張する性質をまとめて安定させることは難しく、それには長い期間を要すると言えます。

建物を建てる際、すでに造成地は切土および盛土で完成されていることもあるでしょう。

そのような場合、どのような工程作業を踏んだのかなどの確認は難しく、素人では地盤の強度を判断することはできないと言えます。

そこで、造成地の地盤の強度を知るためにも地盤調査を行うことが大切です。

盛土で造られた造成地に補強工事などが施されていない場合、別途地盤改良費用がかかることもありますので注意してください。

盛土の造成地は安定性を脅かす地盤沈下の懸念も?

造成地の中でも、特に盛土で造られたものはその地盤の強度が心配されます。

地盤の強度は、建物を建てた後の安定性にも関係してくるため、重要であると言えるでしょう。

そのため、造成地の購入を考えている方は、前項でも触れた地盤に関する補強工事が行われている土地かどうか、造成されてどの程度の期間が経過しているかを不動産会社に確認することをおすすめします。

主な地盤の補強工事として挙げられるものに、土を締めたり固めたりする工事があります。

造成地などの比較的地盤が軟らかい土地は、この補強工事を行っていないとトラブルに見舞われる可能性が高くなります。

特に心配なのが地盤沈下で、それにより地盤だけでなく建物自体の沈下も懸念されます。

地盤沈下でトラブルに発展しないためにも、補強工事の有無を確認してから購入に踏み切りましょう。

盛土から建物着工までに空ける期間が地盤の安定を決める?

述べた通り、造成地は他の長い期間を経て高い強度を得た地盤に比べると、それに劣るということが言えます。

また、盛土を施した時期がいつなのかによってもその強度に違いがあるでしょう。

工事が終了している造成地の購入を考えている方は、建設会社などにその時期を確認することをおすすめします。

盛土で造られた造成地は、雨などの水分の浸透と蒸発などを交互に繰り返すことにより、その地盤の強度も日に日に高くなると言われています。

この点は他の土地も同じですが、土地の中でも地盤の強度が低いと言われている造成地は特に焦点を当てたいポイントです。

一方、これから盛土などにより造成地の工事を行うという場合、できれば工事終了から6ヶ月ほどの期間を空けてから建物の着工作業を行うようにしてください。

その程度の期間を空ければ、地盤の強度が安定します。

しかし、建設工事全体のコストを考えると、あまり期間を設けられないという場合もあるでしょう。

そのような場合には、まず建物をどの位置に建てるかを決め、その周辺に改良土を使って盛土で造成地を造るのも良いです。

建築期間を短くすることができ、それにより建設工事全体のコストも抑えることができるでしょう。

安定した暮らしのために!造成地の地盤強度には注意しよう

造成地と言っても、切土と盛土の2種類に分かれます。

その中でも盛土は、その特性上、地盤強度の低さが懸念されます。

そのため、地盤補強工事などが済んでいる土地か、購入前には必ず確認するようにしましょう。

地盤の補強工事が済んでいない場合などには、別途工事費用がかかることもあり、結果としてコストが高くなってしまうことも考えられます。

コストを抑え、かつ自分が気に入った場所で安定した暮らしを送るためにも、土地の地盤には十分注意することが大切です。