サイディング外壁の仕上がりに差が出る!釘頭のタッチアップ

新築のときは綺麗だった外壁も、築年数を重ねていくと劣化が目立ってきます。

しかし、できることならいつまでも綺麗な状態を保ちたいものですよね。

今回は、多くの建物で採用させているサイディング外壁について、お話をします。

釘が目立つ補修方法や、タッチアップする前に行いたいポイントをご覧ください。

人気のサイディング外壁

建物の顔ともいえる外壁は、タイルやセメントモルタルなど、さまざまな種類があります。

そのなかでも主流となっているのは、耐水性や耐火性に優れたサイディング外壁ですよね。

サイディングのバリエーションも幅広く、工場で生産されることからコストが抑えられえることも人気の理由です。

【サイディングの種類】

●窯業系サイディング

耐震性・耐火性があり、シンプルなデザインで人気があります。

●金属系サイディング

耐熱性・耐久性があり、軽い素材のため、建物に負担をかけません。

●木質系サイディング

耐熱性に優れていますが、木を使用していることから耐火性に欠ける面があります。

●樹脂系サイディング

耐久性・耐候性があり、海外ではよく使われるサイディングです。

これらを外壁に張っていくのですが、サイディングの施工方法には二通りあります。

それは、金具留め工法と、釘打ち工法です。

次項では、この施工方法について解説します。

釘打ち工法で張ったときの、タッチアップについても併せてご覧ください。

サイディングの金具留め工法と釘打ち工法

サイディングの張り方についてお話をします。

一つ目は、『金具留め工法』です。

主に、サイディング板材の厚みが15mm以上の場合に用いられます。

施工方法は、釘やビスを使ってステンレス金具を外壁下地に固定し、その金具にサイディング板材を引っかけていきます。

コストはかかりますが、サイディングが自由に伸び縮みできることから、反りが出にくいといった特徴がありますよ。

二つ目は『釘打ち工法』です。

ステンレス釘を使って、外壁の下地に固定して張り付けていきます。

釘打ち工法は、サイディング板材の厚みが12mmから14mmの場合に用いられますが、打ち付けの際に板割れを起こす恐れもあります。

そこで、サイディング用の下穴錐を使い、注意を払いながら施工していきます。

金具留めよりも、コストが抑えられることも特徴といえるでしょう。

今回は、釘打ち工法に着目していきます。

釘を使って下地に固定していくため、釘を打ったあとは釘頭が出ている状態ですから、目立たないようにタッチアップをする必要があります。

外壁や釘打ち工法で行うタッチアップとは?

みなさんは、『タッチアップ』とはどんなことなのか、ご存知でしょうか。

工事現場で使われるタッチアップとは、塗装の修正処理のことです。

一部の傷や汚れがあるだけで外壁全体を塗り替えるとなると、費用もかかり、多くの施工時間を費やします。

しかし、タッチアップであれば部分的に塗り替えるだけなので、コストも抑えられて工期も短くて済むのです。

既存の塗料を使う場合、そのまま塗ってもよいのですが、周りの塗料と比べると綺麗すぎてかえって目立ってしまうこともあります。

そんなときは、あえて汚れをつけたりして、周りの塗装に馴染ませるといった職人技もあるのです。

また、サイディングを釘打ちで打ち付けた場合、釘頭が目立ってしまいます。

釘頭にタッチアップすることで目立たなくなり、外壁の印象もよくなりますよね。

そして、タッチアップをしたところは、周りの塗装に対して劣化するスピードも速いため、こうした場合も再度タッチアップすることで解消されます。

釘頭はパテ埋めしてからタッチアップ

コストが抑えられる釘留め工法ですが、地震などによって建物が揺れると、サイディング板版に負担がかかり、釘の周りに欠損が生じたり、ひび割れが発生することもあります。

このような場合、大きな被害でなければ補修することなくタッチアップで処理していきますが、再度釘に衝撃が加わるようなことがあれば、塗料が簡単に割れてしまいます。

割れるたびにタッチアップしていては労力もかかりますし、見た目もよくありません。

こうしたことを防ぐためには、パテ埋めをしてから塗料を塗りましょう。

たくさんある釘頭をパテ埋めしていくのは大変ですが、手間をかけた分、効果は一目瞭然です。

では、パテの塗りかたを見ていきましょう。

①パテを塗っていきますが、パテが硬くて使いにくい場合は、水を少し加えてからヘラで練りましょう。

②目的の場所にヘラを使ってパテをのせていきます。

③ヘラでパテをそぎ落として、溝に埋め込んでいきます。

厚みや使用するパテにもよりますが、4~5時間ほどかけて乾かしていきます。

④乾いたら、サンドペーパー(#240)を使って、表面をならして完成です。

一度では埋まらない穴やへこみがある場合は、②から④を繰り返して埋めていきます。

タッチアップだけでは済まない外壁

窒素系サイディング外壁の場合、釘頭や数か所の補修であれば一部タッチアップでもよいのですが、何か所も補修が必要となると、全体的に色むらが目立ってしまうこともあります。

このような場合は、全面的に塗り替えたほうが見た目もよいため、どちらが適確なのか検討してみましょう。

もし、全面塗り替えをするときは一般的な塗料ではなく、フッ素系や光触媒を選びましょう。

なぜなら、これらの塗料は親水性に優れているため、カビや汚れを防止することができます。

カビや汚れは窒素系サイディングの劣化に繋がるため、防止できれば補修も少なくなりますよね。

サイディングの補修は一般のかたが行うには、難易度の高い技術が必要になります。

そのため、プロに依頼しましょう。

ただし、材質の特長や材料の性質についての知識が未熟な業者に依頼すると、トラブルのもとになります。

また、サイディングの補修は人によって考え方も施工方法も変わるため、場合によっては補修にかかる費用に差があります。

必ず見積書をもらい、詳しい説明を受けてください。

いくつかの業者に無料見積もり依頼をして、比べてみるのもおすすめですよ。

サイディング塗り替えの手順

さいごに、サイディングの塗り替え手順を見てみましょう。

①洗浄

外壁は、雨やホコリで汚れています。

綺麗に塗装するためには、高圧洗浄機を使って、汚れを落とすところからはじまります。

②シーリング

増し打ちと打ち替えがありますが、窓のサッシ周り以外は基本的に打ち替えをします。

塗料割れを防ぐためにも、弾性添加材、または弾性塗料を使っていきます。

④下塗り

シーラーで下塗りをします。

下地の状態がよくない場合は、サーフェイサーで下塗りをすることもあります。

⑤中塗り・上塗り

ローラーを使って、やや厚めに目地色を塗っていきます。

乾燥させたら、再度塗っていきます。

二回目は、目地の30%のツヤがあるものか、ツヤのない塗料を選ぶと自然に仕上がります。

⑥上塗り

目地に塗料が入らないように注意して、短毛ローラー(長さ6mm)で、表面を塗ります。

⑦タッチアップ

気を付けていても、目地に塗料が入ってしまうこともあるため、仕上げに、筆で手直しをします。

釘頭のパテ埋めでもお話しましたが、一手間かけることで、ワンランク上の仕上がりになるのです。

メンテナンスが大切

わたしたちが年を重ねていくように、建物も同じように年を重ねています。

外壁は建物を守る部分でもあるため、負担がかかっていると、建物自体の老朽化を早めてしまうのです。

小さな変化に気が付くことができれば、大きな被害を防げます。

変わったところはないか、点検する日を設けて外壁の状態をチェックする習慣を作りましょう。