鉄骨造の柱には耐火被覆を!目的と工法について知ろう!

所有する土地にアパートを建てるときに、その構造次第で柱に施す工法に違いがあります。

もし、鉄骨造アパートにするのであれば、柱に「耐火被覆(たいかひふく)」という工法を施さなければなりません。

今回は鉄骨造アパートに重要な、耐火被覆についてお話をしていきます。

これをする目的や工法のしかたなどについてみていきましょう。

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鉄骨造の特徴とは?

耐火被覆についてご説明をする前に、鉄骨造についてまずはお話をしていきましょう。

鉄骨造とは鉄骨を使った構造のことで、「軽量鉄骨」と「重量鉄骨」で細かく分かれます。

軽量鉄骨は名前にもあるように、軽い鉄骨を使った工法をいい、6ミリ以下の厚さの鉄骨の板を用います。

主に一般の住宅に多い構造で、比較的短い工程で住宅を建てることが可能です。

一方、重量鉄骨は軽量鉄骨とは反対で、柱や梁(はり)には重量のある鉄骨を使いますので、本格的な鉄骨構造ともいえます。

一般の住宅でも使用されることはありますが、どちらといえば、ビルを建てるときに取り入れられる構造ですね。

鉄骨造の魅力としては、圧力をかけても崩れないくらい頑丈であることです。

ちなみに、鉄筋コンクリート造という構造もよく聞きますが、鉄骨造とは何が違うのでしょうか。

鉄筋コンクリート造は鉄筋が中に入る造りになっていることで、石の性質に似ているとされています。

石の特徴といえば、硬くて頑丈であることですよね。

そのため、鉄筋コンクリート造はたいていの衝撃であればビクともしませんが、局所的な衝撃ですと崩れてしまうことがデメリットとなりますね。

では、鉄骨造にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

耐火性はあるの?鉄骨造のメリット・デメリット

鉄骨造におけるメリット・デメリットについてみていきましょう。

先ほどのお話の中でも出ましたが、メリットの1つには「圧力をかけても崩れないくらい頑丈」があります。

ほかにもメリットには、「耐震性」があることも挙げられます。

圧力をかけても崩れないといわれているとおり地震の揺れにも強く、比較的倒壊することが少ないため、耐震性の良さにもつながっています。

しかし、耐震性に関しては今の建築基準法に決められた耐震基準でないといけませんから、鉄骨造に限らず木造なども耐震性は優れているといえるでしょう。

鉄骨造のデメリットとしては、「耐火性」が挙げられるでしょう。

鉄骨造自体は火にすごく弱いということではありません。

しかし、火の熱によって、鉄骨造の耐力は半分以下にまで低下してしまいます。

さらに燃え続ければ温度も上昇していき、一定の温度を超えると鉄骨造の柱などは急激に強度がなくなってきますので、柱から倒壊することも考えられます。

したがって、鉄骨造の耐火性は、火が燃え続ける時間と比例して減少するということがいえるのです。

このように、火が原因で柱から建物が倒壊するのを防ぐ目的で施されているのが、「耐火被覆」という工法です。

鉄骨造の柱には必須!耐火被覆って何?

鉄骨造のデメリットにもなる「耐火性」ですが、火が燃え続け、一定の温度を超えると鉄骨造のアパートも崩れていく恐れがあります。

ちなみに、1番はじめに崩れる箇所は柱や梁などの構造部材といわれています。

そのため、火災で柱や梁が崩れるのを防ぐことで、アパートなどの建物の倒壊防止を目的として施される工法を、「耐火被覆」といいます。

もっと具体的にご説明すると、鉄骨造の骨組み部分を、耐火性や断熱性の高い材料を用いて、柱や梁などを被覆する工法のことです。

鉄骨造のアパートなどには、必ず耐火被覆を施さなくてはならないのか気になるかと思いますが、これに関しては建築基準法で細かく定められていますので、遵守しなくてはなりません。

耐火被覆を施すことで、アパートなどの建物の倒壊だけでなく、人命の保護の役割も務めます。

いずれ住むアパートの住人の安全を守るためにも、耐火被覆を施すことは頭に入れておきましょう。

他の構造の柱にも耐火被覆は必要?

鉄骨造には、火災でアパートが倒壊しないよう、柱に耐火被覆を施すことが必須とされています。

それでは他の構造のものにも、耐火被覆を施すことは必要なのでしょうか。

実は、耐火被覆を施さなくても平気な構造の建物もあるのです。

それは、鉄筋コンクリート造やれんが造の建物が挙げられます。

これらの建物ですと、構造そのものが耐火構造となっています。

そのため、耐火被覆を施さなくても、火に強い建物となっているのです。

耐火構造というのは、火災してから燃焼が終わるまでの間、放置していても倒れない構造のことをいいます。

時間の目安としては、だいたい3時間とされています。

3時間以上、火が燃え続けても倒壊しなければ、耐火構造として認められるのです。

こういった耐火構造の建物には、耐火被覆を施さなくても問題はありません。

耐火被覆の工法のしかたは複数ある!

それでは、耐火被覆とはどのような工法で行われるのでしょうか。

材料として使うものは、「セメント系」の材料を用います。

セメント系は燃えない素材ですので、耐火被覆には持ってこいとも言える材料です。

耐火被覆で用いられる材料としては、以下の2つが多く使われています。

・吹付ロックウール(セメントとロックウールを配合したもの)

・けい酸カルシウム板(けい酸、石灰、セメント、繊維を配合した板)

工法は3種類あります。

●吹付工法

先ほどの材料の1つ、吹付ロックウールを使う場合はこの工法で行われます。

ブローを使ってロックウールを空気圧送し、これとは別にセメントを液体状にしてポンプ圧送します。

そして専用ガン先において、両者を混合し一体化させて柱や梁に吹付けていく工法です。

他の工法と比較すると、コストも安く早く仕上がるため、最近はこの工法がよく取り入れられています。

●成形板張り工法

けい酸カルシウム板のような、板状の材料を用いて耐火被覆を行う工法です。

柱や梁に合わせて板をカットし、金具や接着剤で取り付けます。

●耐火塗料工法

耐火塗料を鉄骨造の部材に直接塗って付ける工法をいいます。

どの材料を用いるかによって工法も変わりますので、使う材料に合わせて選ぶと良いでしょう。

鉄骨造の柱には防火被覆も必要?

ここまでは、鉄骨造の柱などに必須ともいえる耐火被覆についてお話をしてきましたが、もう1つ必要になるかもしれない工法があります。

それは、「防火被覆」というものです。

耐火被覆と何が違うのか疑問に思う方もいるでしょうが、これら2つは異なる目的で施されるのです。

まず、「耐火被覆」とは建物の内部で起きた火災が原因で倒壊したり、周囲の建物などへの延焼を防ぐことを言います。

「防火被覆」とは建物の内部ではなく、建物の周囲で火災が発生した場合に延焼を防ぐことを言うのです。

防火被覆を施す目的としては、鋼材の耐力の低下を防ぐためです。

鋼材は特性上、火災に弱いものになっています。

そのため、火災が起きれば、本体の耐力を発揮することなく、倒壊する恐れがあるのです。

ちなみに、防火被覆は3階以上の建築物に対して適用とされています。

したがって、3階以上の建物で耐火構造になっていない構造では、防火被覆は必須となります。

その際は、耐火被覆同様、セメント系の材料を用いて防火被覆を施しましょう。

鉄骨造アパートであれば耐火被覆は必須!

耐火被覆についてお話をしてきました。

アパートには木造だけでなく、鉄骨造のものもありますから、構造次第では耐火被覆を施すことも必要になります。

いずれ住むであろう住人の安全を守るためにも、鉄骨造のアパートにするのであれば、柱や梁に耐火被覆を施すことを忘れずにしましょう。