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アパートでも火災保険は必要?また年末調整で控除できるのか

2018.9.1

マイホームなどを購入して、火事や自然災害に備えて火災保険に加入している人は多いと思います。

住宅ローンを組むためには火災保険の加入が必要であることも、その要因といえるでしょう。

ただ、アパートなどの賃貸の場合はどうなのでしょうか。

また、その保険料は、医療保険のように年末調整などで控除を受けられるのか解説していきます。

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賃貸なのにアパート契約時に火災保険に加入を勧められるのはなぜ?

火災保険は、建物に対して掛ける保険です。

ということは、マイホームをお持ちの方は、火災保険に加入することができるということはわかります。

しかし、アパートなどの賃貸に住んでいる場合は、建物は自分の所有物ではありません。

従って、火災保険を掛ける対象が存在しないことになります。

ところが、賃貸契約の際に、不動産屋さんから火災保険の加入を勧められたり、強制されたりした経験のある人は多いはずです。

これはどういうことなのでしょうか。

実は、火災保険には建物に対する補償と、家財に対する補償があります。

つまり、たとえ建物が自身の所有物でなくても、そこにテレビや冷蔵庫などの家財を持ち込んで生活しているため、保険を掛けなくてはならないのです。

皆さんが賃貸契約の時に加入している火災保険は、この家財対象の火災保険だったというわけですね。

火災保険は以前は損害保険料控除といって、年末調整で収入から控除することができました。

しかし、2007年の税制改革により、この損害保険料控除はなくなってしまったのです。

そして、代わりに新設されたのが地震保険料控除の制度でした。

このような変革の背景について、少しお話ししましょう。

年末調整の控除対象が火災保険から地震保険に

火災保険は火災による損害に備えるための保険ですが、それに加えて落雷や爆発、風災や雪災などの自然災害に備えるプランもあります。

しかし、その自然災害の中に地震は含まれていません。

昔から地震大国といわれている日本なのに、おかしいですよね。

ただ逆にいえば、地震大国だからこそ、その補償を民間の保険会社が負うことが難しいといえるでしょう。

なぜなら保険会社は加入者から集めた保険料で運営しているため、採算が取れないような保険商品は販売できないからです。

実際、1995年の阪神淡路大震災を皮切りに、2011年の東日本大震災、直近では大阪府北部地震と、現在もどこで大地震が起こっても不思議ではありません。

このような状況を見越してからなのか、2007年に政府が税制改革に乗り出しました。

地震保険の加入推進を図るべく、年末調整などで地震保険料を控除する制度が作られたのです。

火災保険と違い、地震保険には実は国が介入しています。

民間の保険会社が補償しきれなかった部分を国が再保険することで、復興を後押ししようという趣旨で国が保険料を管理しているのです。

もちろん対象は持ち家だけではありません。

アパートなどに居住している人は、火災保険と同じく家財に対して地震保険をかけることができます。

アパートの火災保険が必要な本当の理由とは

以上が地震保険の概要ですが、一方の火災保険は本当に必要なのでしょうか。

アパートの家財に掛けている火災保険が年末調整で控除の対象にもならないなら、あえて加入しなくてもよい気がしますよね。

なぜなら、自分が火事を起こさなければ、その保険料は必要ないからです。

しかし、本当にそうでしょうか。

アパートでは、建物に対する火災保険は大家さんが加入しているはずです。

そして入居者には、家財に対する火災保険に加入する義務があります。

なぜなら、隣人などの出火によって自分の家財が延焼した場合でも、隣人に重大な過失がなければ、責任を問うことができないという法律があるためです。

これは民法の特別法である失火責任法に定められており、重大な過失とは、例えば天ぷら火災による出火などを言います。

つまり、単に漏電やコンセントのホコリに引火したような場合は、自室の家財が焼失しても誰も補償してはくれません。

それどころが賃貸契約において、賃借人には建物を原状回復して退去する義務があります。

つまり、一見何の過失もない人が、黒焦げになった室内を回復させなければならなくなる可能性もあるのです。

そこで、アパート向けにと火災保険に「借家人賠償責任保険」をセットして加入すれば、万が一の場合は保険で室内の改装まで補償してくれるという保険が販売されています。

火災保険は地震保険とセット加入で年末調整で控除が受けられる

なぜアパートなどの賃貸生活の人にも、火災保険の加入が必要なのかお分かりいただけたかと思います。

そして多くの不動産屋さんは、賃貸契約の際に同時に火災保険に加入することを求めます。

しかし、不動産屋さんの提示する火災保険にしか入れないのかというと、実はそうではありません。

ご自身で保険会社を検討し、家財の価値に見合った最安値の火災保険に加入しても構わないのです。

そして、補償を受けながら多少なりとも節税をと考えるなら、火災保険に地震保険をセットして加入するとよいでしょう。

先にも述べましたが、損害保険控除はなくなりましたが、地震保険控除が新設されました。

これは、地震保険に加入していれば年末調整で控除が受けられ、節税ができるという制度です。

ただし、地震保険は単独では加入できません。

火災保険とセットで加入する商品なのです。

アパートなどにお住まいの方であれば、家財の火災保険に借家人賠償責任保険と地震保険をセットして加入することをおすすめします。

ただ単に、不動産屋さんにいわれるままに火災保険に加入するのではなく、その内容をしっかり確認して、必要なものを選別していきましょう。

地震保険の年末調整での控除額について

年末調整で所得税控除が受けられる金額については、地震保険料控除では年間保険料が5万円以下の場合です。

そして、保険料が5万円超の場合でも、5万円が控除の上限と定められています。

また、所得税だけではなく、住民税においても地震保険料控除が受けられます。

年間保険料が5万円以下の場合、支払い保険料の1/2が、5万円超の場合は、2.5万円が控除されるのです。

そしてもうひとつ、火災保険などの損害保険料控除の廃止に伴う経過措置として、旧長期損害保険料は今も控除の対象となっています。

これは、平成18年12月31日までに締結した保険期間10年以上ので、満期返戻金があることが条件となっています。

ただし、アパートなどの賃貸契約における火災保険は、長くても2年程度のものが多いため、これに該当する方は少ないかもしれませんね。

しかし、もし利用できる制度があるならば、できるだけ活用して賢く節税したいものです。

通常、医療保険などは毎年9月頃に控除証明書が送られてきます。

地震保険に関しては、初年度は保険証書などに最初から控除証明書がついている場合が多いので、改めて控除証明は送られてきません。

そのため、うっかり控除の申請をし忘れてしまうことも考えられますので、証書が届いたらよく確認して、控除証明書を保管しておきましょう。

年末調整は気休め?アパートなどの賃貸暮らしも視野に

今回は、火災保険とそれに関連して地震保険についてお話してきましたが、年末調整で火災保険料の控除がなくなったことには、私自身は疑問が残ります。

火災保険は、地震以外の天災にも対応しており、なんらかの災害に巻き込まれることについては地震と分け隔てすべきではないからです。

本来は損害保険料控除に加えて、地震保険料も控除対象にすべきではなかったかと思うのです。

国民に災害に対する自助努力を求めるなら、国ももっと税金の支出を削減できる予算がないかどうかを検討するべきでしょう。

そしてもうひとつ、国が再保険してくれる地震保険には建物と家財の補償はありますが、地震で崩壊した地盤の上に、誰が建物を再建築しようと思うでしょうか。

そうなると、土地の取得費用はどうなるのかなど、解決すべき問題が残されているのではないでしょうか。

また、住宅ローン減税などもありがたい制度とは思うものの、年末調整で返ってきた税金は、ほぼほぼ固定資産税に消えてしまいます。

結局、所得税から固定資産税に流れていくだけです。

そう考えると、あえてマイホームを購入するよりも、アパートなどの賃貸に暮らす方が気楽といえるかもしれませんね。

火災保険や地震保険の見直しを検討してみては?

私たちが地震大国に住んでいることは紛れもない事実です。

また、昨今の豪雨災害などの異常気象などを見るにつけ、何かしらの備えは必須であると思います。

そうであるならば、私たちは自分で火災保険や地震保険に加入し、必要な自助努力をするしか方法がありません。

皆さんも、一度火災保険や地震保険の内容を再検討されてみてはいかがでしょうか。

 - アパート, 住宅